振り向いてくれない彼女【霧隠ラント】

初恋 ページ12

A side






私はチアキくんが好き
これは一年生の頃から変わらない事実。






あの時、チアキくんが私を助けてくれたから






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〜一年の夏〜







「ねぇ、いいじゃん交換しようよ」

「えっと…」






学生寮に帰っていたとき、私は学園マフィアの生徒たちに絡まれていた
連絡先の交換を強要してきたのだ




正直、裏社会の人物とは関わりたくなかったため、丁寧にお断りしておいた。
しかし…







「交換してくれるまで帰さないよ」

「しつこいです！」






掴まれた腕を勢いよく振り返した

多分これが彼の気に障ってしまったのだろう
明らかにイライラした顔で私の方に手を振りかざした






勢いよく殴られた私はその場で倒れて意識を失ってしまった
最後に見えたのは急いで逃げていくマフィアの生徒だった











次に目を覚ました時は暖かいベットの上だった
誰かが運んでくれたのだろう


頬は丁寧にガーゼが貼られていて痛みはあまりなかった
でも園等先生は出張中のため今日は一日中いなかったはず


なら、誰が手当てしてくれたんだろう…？









ベット周りのカーテンを開いたら、椅子に座っている男の子がいた


彼は制服の中にパーカーを着ており、フードを被っていた
どこか怖い雰囲気はあったけど 整った顔立ちをしている




そして、彼の手にはガーゼがあった








「あなたが手当てしてくれたんですか？」














チアキ「え？」








彼は首を傾げた

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