振り向いてくれない彼女【霧隠ラント】

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ラント「A」






僕らが楽しげに話していると、後ろから奴が現れた






チアキ「…なんで」




二人には聞こえない小声で呟いた

なんで今来るんだよ、せっかくいいとこだったのに






「ラントくん！」



ラント「これを渡しに来た」



「ありがと！」






会長がAに渡したのは数学の教科書だった







「ラントくん助かるよ〜」


ラント「そうか、それでは失礼する」







そういって彼は校舎に戻った

本当になんだったんだよ…







「数学の教科書忘れちゃったからラントくんに借りてたんだよね」


チアキ「ふ〜ん」







そんなの、言ってくれれば僕だって貸してあげてたのに






気に食わない…






チアキ「ねぇA」


「ん？」


チアキ「明日も僕にお弁当作ってよ。また食べたい」


「え！」






わかーりやすい声で叫に近い声を出すA

僕はこの反応を見るのが好き









「わ、わかった！」


チアキ「んふふ、楽しみにしてるっしょ」







何度も頭を上下に揺らす

ふふ、お弁当は僕のものだ

会長には絶対あげないからね

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