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伊作「今日の忍務は休んだ方がいい…みんなに言っておくから部屋に戻って……」
『いや、行く…』
留三郎「何言ってんだ！そんな顔色で！」
『熱じゃないから……』
伊作「じゃあなんだって言うんだ！」
伊作が珍しく怒っている。風邪と素直に認めないAに苛立ちを覚えてつい怒鳴ってしまう。
Aは申し訳なさそうにモジモジとしている。そして口ごもって
『つ、月のものがきて……』
ポソりと零れた声に伊作と留三郎はぽかんっとする。
するとしばらくして冷や汗が出る。
月のもの、女にしか分からない辛い日になんて態度を取ってしまったのかと二人は罪悪感に包まれる。
伊作「ど、怒鳴ってごめん……！で、でも辛いなら今日はやめておいた方が、」
『……病気じゃないから休む理由にはならない。それに休学した分忍務で遅れを取り返さないと行けないから……』
つぶらな瞳のAは今にでも泣きそうな顔をしている。
『歩くのも辛くて……五年生達に運んでもらおうとしてもらったんだけどもう部屋にはいなくて……だから近い部屋から順にい組とろ組の部屋にも行ったんだけどいなくて……は組に来たら二人がまだいたから……』
留三郎「お前、そこまでして」
『忍務はちゃんとやるから、移動の時だけおぶってて欲しい。お願い！』
両手を合わせて懇願するAに二人は悩んだ。
確かに彼女は遅れがあり、忍務に出ない限りまともな忍術を覚えることはできない。
なるべくやらせたいが、体調優先だ。
『だめ……？』
ここで発動！
Aのお得意技の上目遣い。
伊作「留三郎、行こう」
留三郎「お前……」
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