女子力男子×タカシ ページ11
プスプスプス………………
「うぅ、クッキー焦げた…」
今日、うちのクラスは調理実習だった。
しかも、お菓子を作るっていう……
“ごはん系ならそこそこできるけど、お菓子作りは苦手なんだよなぁ”
“……うわぁ〜みんなうまくいってる……私だけだよ失敗したの…”
案の定、私はクッキー作りに失敗し、普通なら甘いバニラの香りのクッキーになるはずが
黒くて、焦げ臭いクッキーになった。
“はぁ………後でゴミ箱に捨てよっと。”
私はゴミ箱に向かおうとした。その時だった。
『え!?太陽くんクッキーうまーい!!!』『形かわいい〜〜!!』
私のクラスの人気ナンバーワン男子、松尾太陽くんだった。
太陽くんは端正な顔立ちで、八重歯が特徴的。簡単に言うと王子様みたいな人だ。
(もちろん性格も良し。)
そして密かに私の好きな人………。
でもこんな地味子に好かれても太陽くんはちっとも嬉しくないよねぇ。
(周りには太陽くん好き好きオーラ出していない………はず)
“……あ、太陽くんたくさんクッキー貰ってる…”
“私も太陽くんにあげたかったなクッキー。でもこんな見た目じゃ…”
私はゴミ箱にクッキーを捨てようとした。……と思ったら誰かが私の腕を掴んだ。
「せっかく作ったのに捨てちゃうん?」
落ち着く声。私の腕を掴んだのは太陽くんだった。
「だって…失敗しちゃって…」
「そっか。でも捨てるんだったら俺にくれへん?」
「………え?」
「こんなこと言うの変かもしれへんけど、俺結構前から君のこと気になってて…
ほら、クラスでも割と静かやん?君。」
「まぁそうですけど…」
「俺はそんな君のことがいつしか気になっていたんや。」
嘘でしょ……太陽くんが私のこと気になっていただなんて…
「いつか、話したいなって思っていて、今叶ったんや。」
夢みたいな言葉が太陽の口からたくさん出てくる。
「それで、話した時に伝えたかったことがあるんや」
「……なんですか?」
「俺、君のことが好きや。いっつも俺の頭ン中に君がいるんや。
……もし君がいいのであれば、俺と付き合ってください。」
夢じゃない。これは現実だった。
…嬉しい。太陽くんと同じ気持ちだったなんて
「……はい!もちろんです!よろしくおねがいし…ます。」
まさか太陽くんがこんな地味子を選んでくれるとは死んでも無理なことだと思ってた。
でも、好きという気持ちさえあれば、無理な恋も奇跡に変わる。きっと。
6人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆのかわ | 作成日時:2017年9月23日 23時