ユーリ ページ3
｢セレス、そろそろ休もう｣
コーチのヴィーコに話しかけられ、振り付けの確認をしていたセレスはリンクを降りる。
｢どうだった?｣
｢とても良かったよ。明日は万全の体制で挑めそうだ｣
｢良かった。頑張るよ｣
渡されたタブレット端末に流れる自分の映像を見ながら満足そうに顔を上げてストレッチを始めた。
小さな皇帝と言われるだけに男性としてはかなり小柄な彼はスケートシューズを脱ぐとそこら辺にいる女性スタッフよりも小さい。
｢!!っとすみません｣
後ろから誰かにぶつかられ、よろめいたセレスは謝りつつぶつかった本人を見る。
｢わりぃな、小さくて見えなかった｣
｢！！！！！！！｣
ぶつかったのはユーリ・プリセツキー。今大会のジュニアでは一番有力視されている人物だった。
リンクの妖精なんて言われているが、リンクを降りた姿はただのロシアンヤンキーだった。
そして、ユーリは何かとセレスをからかっては楽しんでいるが、セレスは物怖じせずにいつものごとくとびきりの笑顔でユーリを見ている。
｢大人舐めるとこわいよ｣
｢え、お前大人なの?ガキだと思ってた｣
カチンときた。
悪意のあるからかいに思わず言い返しそうになるが、あくまでも笑顔は崩さない。
｢(耐えろ、セレスティーノ...ここで言い返したら負け)｣
｢まあ小さいのは分かってるけどね｣
冷静に、冷静にと自己暗示をかけながら言葉を返して上着を着る。
｢明日本番なんだから、[こども]は寝なさい｣
ヒラヒラと手を振りながらコーチとホテルへ帰るその背には、イタリアの国旗。
ロシアの成人年齢は17歳、イタリアでは18歳。
どっちにしろまだ子供な彼は逆襲されて頭に血が上ってしまう。
｢バカにすんな!!!｣
いたずらに笑うセレスに殴りかからんばかりの勢いで言い返すが、微笑みで返されてしまった。
セレスにとってはまだまだユーリも子供。
妙な大人の余裕をかまされてユーリはイライラ。
こういうところはヴィクトルとよく似ていてムカっとする。
でも、本当は憧れでもあった。
テレビの向こうでキラキラ輝いているあの人が、忘れられない。
来年は、あの人達と同じ舞台、シニアに上がるんだ。
負けられねぇ。
いつかお前を追い越してやる。
｢待ってろよ、＿Piccolo Imperatore｣
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もんとれーぬ - 更新再開してくださってありがとうございます！！ 過去の話も気になります。更新頑張ってください (2018年2月7日 0時) (
レス) id: 0455f4b2e0 (このIDを非表示/違反報告)
零様LOVE(プロフ) - ユーリ！！！の作品がもうあったなんて…！！凄く面白いです更新頑張って下さい。応援しています！ (2016年10月16日 12時) (レス) id: 8bffae3428 (このIDを非表示/違反報告)
つくし君(プロフ) - 仕事が早い！！！好きです！！！更新頑張ってください！ (2016年10月14日 0時) (レス) id: 04f956fe15 (このIDを非表示/違反報告)
瀬戸 - 更新楽しみにしてます！頑張ってください！(*^^*) (2016年10月12日 18時) (レス) id: c57eaf16d0 (このIDを非表示/違反報告)
那月(プロフ) - ぴよ子さん» 無いなら作ればいいじゃないという精神で作りましたww更新頑張ります〜! (2016年10月12日 0時) (レス) id: 2ae4f7b368 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：那月 | 作成日時：2016年10月10日 23時
