離婚届の用意はできました/安室透

外に出て ページ17

私は部屋を出て近くにある公園に来た。

少し荷物を置いてブランコに座る。
こんな時間に１人でいるとか…きっと変な目で見られるなぁ…

そんなことを考えつつも視線はずっと足下をみている。

『これからどうなるんだろう…』

ポツリと一人言がもれる。
何もない左手の薬指の付け根をなぞる。

１人で考えてここで泣いても…ホントに危険な人と会っちゃうかもしれないと思い、ポケットからスマホを取り出す。

学生時代から仲の良い唯一の親友に電話をする。

ﾌﾟﾙﾙﾌﾟﾙﾙ

３コールぐらいしてでた友達に何も言わずただ少しの間置いてほしいと言うことを伝えた。
少しの沈黙後

「ハァ…家に来たらちゃんと事情は説明しなさいよね。」

そう言い電話を切った。
事情は何となく察してくれているんだとおもう。

友達の優しさに目頭があつくなった。
すぐ荷物を持ち公園を後にする。

タクシーにのり、行き先を告げスマホをみる。

電話もなければ、メールもない。

まだ家に帰ってないんだと思うけど…少し寂しい。

そんな考えを打ち消すように親友に一言、『ごめん』とだけ入れた。

ツーｯと頬を伝う一筋の雫は私の言葉にできない思いが出ていた…。

タクシーをおり電話をする。
直ぐでた親友に家の前だと伝える。

鍵のあく音がした瞬間親友に抱きついた。

頭を撫でてから肩をポンポンしてくれる手に、優しさを感じ私は暫く泣いていた。

友達と。→←最終日

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