第一章 『 この国の歴史は 』 ページ2
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「 この国の歴史は、 この世界に様々な影響をもたらした 」
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備前国の少し大きなその本丸は、政府からも頼りにされている、ここらでも有数の古株本丸である。
審神者の名は 本田菊 と言い、初期刀山姥切国広、初鍛刀愛染国俊で時間遡行軍殲滅の政策を序盤から支えてきた。
ある日、審神者の元に、政府から通達状が届いた。
その内容は、簡単だが理解し難いものだ。
『拝啓、審神者:本田菊様へ』という挨拶から始まったその手紙を一通り読んだ審神者、基本田は考え始める。 この内容は真のものなのか。 本田は考えた。 しかし答えは見えない。 本田はふぅ、と一つ息を吐いてその場を離れた。
この本丸は大御所帯故、無駄に広い。 古き日本式の屋敷ではあるが建物は三階建て、本田の住む審神者部屋は最上階である三階の西部屋。 その隣は近侍部屋となっている。 その部屋には初期刀であり近侍である山姥切国広が暮らしている。 本田は近侍部屋の戸を叩き、部屋主の声を待った。
「……誰だ」
「私ですよ、切国君。 本田です」
「入れ」
山姥切の言葉に小さく頷いた本田は、「失礼します」と断りを入れてゆっくりと戸を開けた。
部屋の様子や山姥切の様子を見る限り、どうやら事務仕事を行っていたようだ。 本田は茶でも用意すれば、と少しばかり反省をして口を開いた。
「お疲れ様です。 切国君、少し聞いてほしい話があるのですが、宜しいですか?」
「あぁ、構わない。 主の話ならば何でも聞こう」
ふわり、と微笑んだ山姥切に本田は有難うございます。 と礼を言い、本題へと話を変えた。
「実は、政府からある御手紙を頂いたのですが、その内容があまりにも理解し難い物であり、私一人の判断で許可を下ろすわけにはいかないのです」
「だから、近侍でありずっと貴方と共に過ごしてきた俺に相談を、ということか」
「理解が早くて助かります。 流石です」
「そうか。 それで、その手紙の内容とはなんだ」
素っ気ない返事だが、少しだけ嬉しそうなのが分かる。 本田が内心自身を可愛いと思っている事を知らない山姥切は真っ直ぐと本田の方を見つめ、話の続きを待った。
「こちらです」
そう言って本田は自身の懐から一通の封筒を取り出す。 宛て先名は『 備前国 本田菊殿 』と達筆な字で書かれており、少しだけど重々しい雰囲気を醸し出している。 ゴクリ、と唾を飲んだ山姥切は、ゆっくりと割れ物を扱うように封筒から手紙を取り出した。
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作者名:上弦 星 x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/9b706481023/
作成日時:2017年6月24日 23時