おかえり、エジョン【２】 (ページ43)

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-Aejeong side-

SY「体調はどう？」

「うーん、正直なんとも言えないかんじだけど。多分なんとかなると思う」

SY「倒れそうだったら倒れる前にはけなさい。ステージで倒れるのだけはダメよ」

「分かってる」

今日はついにソウルコン最終日。相変わらず眠れないままでいる。それでも薬のおかげで少し眠れるようにはなった。

なんとか最終日を迎えることが出来たけど、日中の体のだるさを避けるために薬を飲むのをやめている。おかげで、この数日は眠れずにいる。

不眠症だということはみんな知っていて、バンや楽屋でも私が少しでも眠れるようにしてくれる。それでも不安は消えずにずっと残っていた。

ステージに上がれば熱い照明とエリたちの熱気に一瞬気圧されそうになる。それを察したのか、隣のジョンインが心配そうに一瞬だけこっちを見た。

私はそれに大丈夫だと言うように少し頷いて見せた。

中盤までは何事もなく進んでいく。MCもいつも通りこなして、アコースティックステージでのセフンとのダンスも上手くいった。

だけど、体に異変を感じたのは、後半に差し掛かった時だった。センターステージでのライトセーバーのパフォーマンス中だった。ぐらりと体の重心がズレるのがわかった。

お願い、せめてこれが終わるまで。このあとはMCだし、そのMCもかなりの長さだ。私が水を浴びない位置だったのが幸いで。

真っ暗になった瞬間、私はそばにいたチャニョルに助けを求めるようにもたれかかる。

CY「A？」

「ごめん、無理…」

SE「誰か！Aが！」

セフンがスタッフを呼ぶ声が聞こえる。

ああ、最後までやりきりたかったのに。またこれで、皆にいらないと思われるかもしれない。

そんなことを思いながら、私の世界はブラックアウトした。