おかえり、エジョン【２】 (ページ35)

今日:3 hit、昨日:23 hit、合計:127,425 hit

８５ページ35

-EXO Kai side-

無事に、ショーケースを終えた。Aへのアンチもあまり見かけなくなったし、挨拶の時の歓声もかなり大きい。

それは、いいとして。
問題なのはショーケース前のあの出来事だ。

寝てたらヨナヌナにAを呼んでこいと起こされた。全く人使いが荒いんだから、なんて思いながら探しに行く。

そしたら、イシンヒョンに抱きしめられてるA。ちょっとムッとした。こいつは相変わらず危機管理能力がない。

当の本人は「ジョンイニもしてほしい？」なんて聞いてくるし。まあ、分かってて聞いてきてるんだろう。このヒョンはよく見てるし鋭いから。特に、Aに関することには。

DO「ジョンイナ、顔が怖い」

KA「あぁ、ごめんヒョン」

DO「何かあった？」

KA「いや…」

言えずに渋っていると、ヒョンはうちのお姫様ね、なんてあっさりと言ってしまう。

DO「あの子が疎いのは今に始まったことじゃないし、あのヒョンが本気なのも今に始まったことじゃないでしょ」

KA「……」

ヒョン、気づいてたのか。

DO「気付かないとでも思ってた？もうみんな気付いてるよ。気付いてないのあのお姫様くらいだ」

KA「……鋭いのも困るけど鈍いのも困る」

DO「どっちかを応援なんて俺らは出来ないけど、とにかく気まずくならない程度にしてよ」

KA「分かってる」

グループ内でギスギスしちゃうのだけはいやだ。Aもイシンヒョンも大事な仲間であり、家族のようなものだから。

にしても、ライバルがイシンヒョンだなんて。チャニョリヒョンなら勝てたかもだけど。…いや、これは失礼か。

それに、イシンヒョンだけじゃないに決まってる。

Aのことを狙ってる人は他にもいるに違いない。他のアイドルからの視線もよく感じる。事務所内だって、他の事務所の人だって。

DO「ライバルは多いからね。大変そうだなあ」

ギョンスヒョンのその一言は、もう既にわかっていることなのに、言葉になるとずんっとお腹に響いてくるようだった。