１１３ ページ13
スケジュールを終えて、宿舎に帰る。
バンの中で仮眠をとったせいか、あまり寝付けない。
もうシヨンオンニは自分の家に帰っていったし、一人の夜。お酒でも飲もうとソファから腰を上げた時、電話がかかってくる。
相手は意外にも、イシンオッパだった。
「もしもし、オッパ？」
LY「A？あけましておめでとう」
「あけましておめでとう。珍しいね、オッパから電話なんて」
LY「まだ起きてるかな〜って思って。よかった起きてて」
冷蔵庫からお酒を取り出しながら話をする。
「…今年はあまり会えないね」
オッパは今年のカムバには参加しない。つまり、コンサートにも。
LY「寂しい？」
「そりゃもちろん寂しいに決まってるよ」
LY「俺も寂しいな〜Aに会えないなんて」
くすくす笑いながらそう言う。
「ほんとに思ってる〜？」
LY「思ってるよ、ほんとに。ついにAの曲でカムバでしょ？」
踊りたかったな、なんて声が聞こえてくる。
「そしたら来年のも私が書くよ。だから来年は一緒にカムバしよう」
LY「来年のも書けるの？」
「……私の努力次第？」
既に今年は何曲か、私の楽曲が使われることが決まっている。ヒジュンオッパももう一人前だなって褒めてくれた。
LY「それまで俺も中国で頑張らなきゃ」
「…無理はしないでね、健康が1番」
LY「ギョンスみたいな事言うなあ」
「自分でも思った」
2人で笑う。お酒を煽れば、アルコールが回っていくのがわかる。
LY「A」
「なに、オッパ」
LY《今年もよろしく。愛してるよ》
突然中国語で、しかも愛してるだなんて言うからびっくりして一瞬言葉を失う。
LY「A？」
《こちらこそよろしくね。私も愛してるよ》
同じように中国語で返せば、向こうも少しの間沈黙が流れる。
……発音、おかしかったかな？
LY「ふふ、いい夢見れそうだよ」
「なんか、恥ずかしいね。改めて言うと」
LY「……そうだね」
そろそろ寝なきゃね、なんて電話を終える。
LY《女性としての愛してる、だったんだけどな》
そんな呟きは、Aに聞こえるはずもなくて。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 824人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆーりんご | 作成日時：2018年7月6日 13時
