君に似合う花 ページ4
「お疲れさま新一くん」
「なんだよ二木待ってたのか」
「好きな人の頑張ってる姿みたいでしょ？」
「なるほどストーキングか」
「正解」
そこは否定しろよ
ニコニコと笑いながら二木がタオルを出す。
俺はそれを有難く受け取った。こういうのは受け取っといた方がいいって俺は知ってる
前、受け取らず放置したら頭をくしゃくしゃに、まるで犬でも拭くかのように扱われた。
「アイス食べに行こうよ」
「もう奢んねぇからな」
「新一先輩かっこいいー太っ腹ー！よーしそうとなったら善は急げだね！」
「あ！おい待て！俺まだ奢るっていってないって、はやー…」
なんだアイツのこういう時だけの素早さ。
もう小さく見える二木に手を伸ばす。
それにため息を吐きながらも付き合ってしまうんだから俺は相当馬鹿なんだろうな。
いつの間に登ったのやら坂の上で澄み渡る青い空と大きな積乱雲をバックに二木が手を振っている。
さて今回は何を奢らせられるんだか、1つため息を吐き遠くにいる二木に駆け寄った。
「ふと思ったけどよー。二木って夏が似合うよな。」
「お？それどういう意味かな？暑苦しいって？」
「確かに暑苦しいけどちげーって」
「確かに？」
詰め寄る二木を無視してコンビニで買ったソーダ味の細長いアイスを齧る。
汗で張り付く髪が鬱陶しいがアイス1つで気分が爽快になるのはなんなんだろうな。
「夏、ねぇー」
「あ、夏っていうか向日葵だな。」
「向日葵？」
「ほらお前明るいからなんか花で例えんなら向日葵だろうなって思ってよ」
「ふーん。…まあ確かに」
自分で言っておいて驚くのは可笑しいと思うが、二木なら否定すると思っていた。
自分にそんな可愛らしい花は似合わない。とか変な所で謙虚になる二木ならゲラゲラと笑いながら否定すると予想していたが、どうやら外れたらしい。
パタパタと片手で仰ぎながらアイスを齧る二木を見つめる。
いつも笑顔を貼り付けてる二木が珍しく何も考えていないような、ぼーっとした顔をしていた。
「ん？どった？そんなに見つめても汗で下着は透けないぞ」
「いやお前のは興味ねぇわ」
「おん、泣くよ？」
俺の視線に気づいたらしい二木がこっちを見上げていつものようにニッコリ微笑む
「向日葵の花言葉。いっつも君に引っ付いてる私にはピッタリでしょ」
「自分で言うかー、それ」
そういえば向日葵の花言葉ってなんだったかな。帰ったら調べてみるか
その意味をまだ君は知らない。
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←猫みたいなやつ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：人間失格な人間？ | 作成日時：2019年5月14日 20時
