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*襲われる ページ9

「ちょ、ちょっと待って!万里!?万里さん!?」
「うっせ〜暴れんなよ…さっさと抱かせろ」
「だからダメって言ったじゃん!!んぬっ胸触るな!」



ソファの上に押し倒され、馬乗りにされている。そう、私はいま襲われかけています。

こうなったのも少し前の事…





「このコップに入ってるの飲んでいいか?」
「お茶でしょ〜?いいよ〜」



喉が乾いたと冷蔵庫を開ける彼を見ずに答える。私はというとソファに体育座りをして今日撮った写真を眺めていた。



「あっはは!ねぇ見てよこれ!万里半目なんだけど〜〜!」
「…」
「無視!?ねぇ見てよこれ…って、え?」



ドスッと隣に座った彼は顔色こそ変わらないもののいつもと様子がおかしかった。お茶を飲んだばかりなのに額には汗が流れている。



「ちょ、どうしたの?具合悪い?」
「…んだ」
「え?なに?」
「…酒飲んだ、かも、しんねぇ」



…酒?

え?いまお茶飲んだんじゃないの?そりゃ缶チューハイくらいは冷蔵庫に入ってるけど勝手に飲むとも思えない。あと、これはただの偏見だけど缶チューハイで酔うほどお酒に弱くはないと思う。思うだけ、だけど。

ぐるぐるといろんなことが頭を回るうちに、彼はお酒が回っていた。



「さっきの」
「さっき…?」
「ウーロン茶じゃなくて酒だった…みてぇで、コップに入ってたから…かくにんしないでのんじまった…わりぃ」
「コップ…?私コップにお酒なんて入れてたかな…全然思い出せないんだけど…あっ!まさか…!?ちょっと万里、こっち向いて!」


ウーロン茶と間違えて飲んだ、ということは色が似ていたに違いない。詳しくはないけれどそんなお酒、あれくらいしか…

確かめる手段が他にあったのかもしれないのだが、私は万里の頬をつかみそのままキスをした。

なんの色気もないソレはただ口に残る大人の味を感じるだけだった。



「っぷぁ!万里、これウイスキー!!しかもロックでしょ!?」
「っん…んなの言われても飲んだことねぇよ…」


それもそうか。なんて納得してる場合ではなかった。なんでコップにウイスキー入れてんだ私は!!!未成年に飲酒!?捕まる!?どうしたら酔いがさめる!?



「ちょっと待ってて!いま酔いが覚める方法調べるから…」
「そんなんしらべなくていい」
「え?っわ!ちょっと!落ち着いてっんむ!」
「…じゃあ落ち着くまで付き合えよ」
「えっ」



そして冒頭に戻る。
私、どうしたらいいの?

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作者名:ムリ子 | 作成日時:2019年8月1日 22時

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