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その日は大将の審神者就任三十年記念の日だった。それなりに揃った刀剣男士に祝われて、本当に良い日だった。
そんな時に、今日と同じように鳴子が本丸中に響いた。鳴子が鳴る時は、本丸を覆う結界に異常が起きた時にだけ鳴る。当然そんな事俺たちも大将も知らなかったし、そんな事起きる筈無いと思っていた。
すぐに大将は外に出て結界を見た。
『ぁ…そんな……何故、ここに…！遡行軍が！！』
結界の外に、大量の遡行軍が現れ結界を壊し中に入ろうとしていた。バリン、と、一層目の結界が割れた。動揺が走る。だって、こんな事初めてだったから。騒つく俺たちを、大将は静かに見据えて口を開けた。
『すぐに、政府に連絡を取り援軍を呼びます。其れ迄はどうか……どうか、この本丸を守って下さい。
ごめんなさい…私も、何故この様な事が起きているかわからないの。でも、あなたたちは絶対に死なせないし折らせない。
＿＿＿＿主命です。誰一人として死なず、折れず、私の前に全振り戻ってきなさい。』
俺たちも大将も覚悟を決めた瞬間だった。其々本体を構えていつでも来られる状態にある遡行軍を見る。バリンと、最後の砦も壊れた。
『遡行軍を殲滅しなさい！！』
「「「はっ！！」」」
俺たちは遡行軍と戦った。短刀や脇差は自慢の機動を生かして、打刀は屋内屋外関係なく戦える万能さを生かして、他は其々の高い打撃を生かして。
勿論、俺たちは無事では済まなかった。中傷になった奴から大将に手入れしてもらいまた戦う。何度も何度もそれを繰り返した。
結局、政府からの援軍は来なかった。
後日、本丸にやってきた位の高い政府の役人がやって来た。襲撃されたのは俺たちの本丸だけじゃなく、多くの本丸も襲撃されたらしい。何故こんな事が起きたのかを政府に問い出すと、こんな答が返ってきた。
「刀剣男士が集う本丸を潰す事によって戦力が急激に下がると考えたのでしょう。特に貴君の本丸に多くの遡行軍が現れたのは不老不死の審神者が邪魔だからだと思われます。」
巫山戯るなと、そう思った。
大将は好きで不老不死になった訳じゃない。人間の醜い考えによって多くの人間が犠牲になって、偶々大将がそれに成功して、戦に出された。大将の時代はこれから平和になって暮らしていけたのに、その秩序を壊したのは政府の人間。
ああ、本当に、腹が立つなぁ。
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狐ねぇ - とっても素敵な作品です！何度も読み返してしまいます♪無理をなさらない程度に更新していただきたいです！楽しみに待っていますね♪ (2021年7月31日 16時) (
レス) id: 7b7b6482b0 (このIDを非表示/違反報告)
のん - とてもいい作品ですね！見入っちゃいました！更新楽しみに待ってます頑張ってください(*´ω`*) (2020年5月20日 14時) (レス) id: cc61122175 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - 更新楽しみにしてます。頑張ってください (2020年2月4日 22時) (レス) id: d5a0d81ae4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - ( ´∀｀ )b (2020年1月6日 16時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
@ - めっちゃっっ面白いです！でも、早く続きが読みたいです (2019年4月1日 15時) (レス) id: 2da2df1e9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる
| 作成日時：2019年3月9日 12時
