2 ページ4
.
『ッ！！』
バッ、と起き上がった。額からはツウと汗が流れ、体は汗で滲んでいる。少し湿っている前髪を掻き上げて大きく息を吐く。
……嫌な事を思い出してしまった。もう六十数年以上も前の事を私は思い出したのか、それとも忘れられていないのか。答えはきっと後者だろう。
布団から出て汗を拭き、巫女服に着替える。長い髪を結い襖を開ける。朝焼けが綺麗だった。
長い廊下を歩くと結った髪がゆらゆらと揺れる。目的地に着くと両手で襖を開けた。
『おはよう。』
「「「おはようございます！！」」」
今日もいつも通りの朝がきた。
＊＊＊
人が少なかったこの場所も、だんだんと増えていき全員がやって来た。その時、誰かが私の隣に座った。
鯰尾「へへーん！主の隣いただきー！」
厚「オレもオレもー！」
『あら、今日は鯰尾と厚なのね。』
すると向こうの方で、ズルイ！ズルーイ！！と言う声が聞こえた。きっとまた誰が私の隣に座るか競ってたんだろう。
鯰尾「早い者勝ちだ！」
厚「そうそう！お前らがちんたらしてるからだろー！」
薬研「んじゃ、俺は大将の前な。」
秋田「じゃあ僕は斜めいただきまーす！」
五虎退「じゃ、じゃあ僕はその反対側に…。」
乱「薬研も五虎退もズルイー！！」
『乱、こっちおいで。』
そう言うと乱は不貞腐れながらこちらに近寄ってきた。ぽんぽんと膝を叩くとその上に乗ってきてぎゅっと抱きついてきた。それに応えながら頭を撫でる。
乱「ボクも主さんの隣に座りたかった…。」
『昼餉も夕餉もあるでしょう？』
乱「朝がいいのー！」
『あらあら…いつから乱はこんなに甘えたさんになったのかしら？』
乱「主さん限定ですぅ。」
『…なら今日の近侍は乱にしましょうか。』
乱「えっ！」
そう言うと乱はバッと顔を上げた。その目には困惑と期待、歓喜が現れていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 372人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユリ(プロフ) - 続き気になります。更新頑張ってください (2019年3月2日 19時) (
レス) id: 2e6c718a02 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 面白いです。続きどんどんしてください。頑張ってください (2019年2月6日 13時) (レス) id: f266346369 (このIDを非表示/違反報告)
アイ。(プロフ) - 新作待ってました!!更新頑張ってください!! (2019年2月3日 10時) (レス) id: b23522634a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はる
| 作成日時：2019年2月2日 22時
