ファイル40 if 救済 ページ40
緑谷.side
「相澤先生、僕は彼女を…知河さんを救いたいです。」
そう、学校に戻ってから言った。すると珍しく相澤先生は目を見開いた。
「……お前らも見て、聞いただろ。あいつの壮絶な過去、目の前で人を殺した姿。あいつはヒーローを憎んでいる。これから先、もしかしたら多くの人間を殺すかもしれない。
…あいつは世の中に放っちゃいけない存在だ。」
「それでも…僕は救けたい。」
＿＿＿＿『もういい……もう疲れた…！何も考えたくないよ……！もう…楽にさせてよ……。』
僕よりも強い彼女は、僕よりも弱い。
あの言葉には絶望だけじゃない。悲しみや寂しさも含まれていた。
＿＿＿＿『そんな同情なんてするくらいなら……誰でもいいから私を救けてよ…ッ！！』
あの時、彼女は確かに救けを求めてた。
僕は救けたい。知河さんを、救けたい。まだヒーローの卵だけど…あんな事を聞いて、見て、放っておくだなんて出来ない。
「困ってる人を救けるのが、ヒーローだから。」
そう、相澤先生に言った。
すると次々と皆が俺も私もと言った。
「確かに悪りぃのは知河だけど……でも、全部知河のせいじゃないと思う。」
「私…Aちゃんと少ししか関わってないし、まだ全部は知らない。でも、私もAちゃんを救けたい！」
「Aちゃん、きっと根は良い子だと思う…。そうじゃなかったらあんな風に笑わないと思うから。」
「俺も…緑谷と同意見です。Aちゃんときちんと話がしてェ。」
「俺も救けたい。Aちゃんにもっと世界を知ってほしい。」
「ウチも…。A、ウチらの事見て「とっても幸せだね。」って言ったんです。……Aにも、幸せってのを知ってほしい。」
席を立ちそう言う皆に、相澤先生は呆れたように頭を掻いた。
「俺に言われてもなァ……これは俺が決めていい事じゃない。警察やヒーローにも言わなくちゃいけない。あとあいつがいた特殊拘置所にもな。
問題はそれだけじゃない。あいつを世に放つメリットは？あの事件で顔は割れてるから安易に外出も出来ない。多くの人間を殺したあいつが世の中に浸透出来るか？人殺しだと石を投げられるかもしれない。敵になる可能性だって高い。
俺は、あいつを世に放つのに反対だ。」
そう言い、相澤先生は教室を出た。
相澤先生の言葉が正論すぎて、僕らは反論できなかった。
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イロハ(プロフ) - めっちゃ泣きました！こういう物語すごく好きなのでみいってしまいました！ (2022年8月26日 23時) (
レス) @page49 id: 679b71b669 (このIDを非表示/違反報告)
璃徒 - やばい、感動しかないです。涙でそうになりました…！ (2022年1月28日 21時) (レス) @page49 id: 19b3aa7f76 (このIDを非表示/違反報告)
リア - 夢小説でこんなにのは初めてです！とても感動したし、見ていて涙が出ました。素晴らしい作品をありがとうございます！ (2020年10月21日 0時) (レス) id: 1bb79351ab (このIDを非表示/違反報告)
そあ - 久しぶりに夢小説で泣きました。面白かったです。ありがとうございます。 (2020年4月27日 21時) (レス) id: 50fe801646 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - 泣いちゃいました。最高です (2019年11月4日 16時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる
| 作成日時：2018年7月21日 23時
