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知河Aは利巧である。
「＿＿＿＿んじゃあこの英文を……麗日ァ！訳してみろ！！」
「ふぁい！？え、えーと、えーと…！」
『お茶子先輩、「愛とは、大きな愛情をもって小さなことをすることです。」ですよ！』
「えっ？あ、「愛とは、大きな愛情をもって小さなことをすることです。」…？」
「OK！「Love is doing small things with great love.」これはマザー・テレサの言った言葉で＿＿」
「ありがとうAちゃん…！！」
『どういたしまして！』
幼い頃の無理な英才教育の賜物か、Aは中学生ながらも高校レベルなら解けるようになっていた。
Aは今こそ勉強が好きと言っているが、それは最早洗脳に近い。
「そう言わないと殴られる。」
「できないと殴られる。」
「じゃあどうすればいい？」
応えは簡単、「勉強するしかない。」
国語の心情を、数学の公式を、英語の単語を、彼女は必死に覚えた。否、覚えなければならなかった。
知河Aは頭の回転が速い。
「んー…？切島ぁ、ここわかる？」
「「武器を持った敵と出くわした時のヒーローの立ち回り」？こんなもん真正面からブッ叩けばいいだろ！」
「お前バカかよ！そんな答え出してみろ！相澤先生に物理的に抹消される…！」
『これはまず武器を取らないとですね！一発目を避けて横腹に蹴りを入れる。相手が怯んだうちにアッパーを決める。あとは捕縛…とかはどうでしょう？』
「おお！それいいかもしんねー！ありがとAちゃん！」
家庭内暴力で自然と培った戦闘の仕方。
殴られ蹴られるうちに、
「ここを避けて頬を殴る。」
「背に乗って右腕を背に回し動きを封じる。」
といったようなシュミレーションが頭の中にあった。だがそれを実行しなかった。それは何故か？
これを耐えたら好きになってくれるかもしれないという淡い期待を抱いていたからである。
知河Aは素直である。
「Aちゃんって中学どこなん？」
『霧谷第一中学です！』
「あの有名な！？凄いやん！」
『いいえ！教師はクソだし生徒もクソだし、最悪の中学ですよ！！』
彼女は学校が嫌いだった。
無理矢理 処女を奪われた場所だから。それだけならまだしも事情を知っていた教師達に知らぬふりをされたから。
彼女が素直なのはそう“躾”されたから。
それが良い意味でも、悪い意味でも…。
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イロハ(プロフ) - めっちゃ泣きました！こういう物語すごく好きなのでみいってしまいました！ (2022年8月26日 23時) (
レス) @page49 id: 679b71b669 (このIDを非表示/違反報告)
璃徒 - やばい、感動しかないです。涙でそうになりました…！ (2022年1月28日 21時) (レス) @page49 id: 19b3aa7f76 (このIDを非表示/違反報告)
リア - 夢小説でこんなにのは初めてです！とても感動したし、見ていて涙が出ました。素晴らしい作品をありがとうございます！ (2020年10月21日 0時) (レス) id: 1bb79351ab (このIDを非表示/違反報告)
そあ - 久しぶりに夢小説で泣きました。面白かったです。ありがとうございます。 (2020年4月27日 21時) (レス) id: 50fe801646 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - 泣いちゃいました。最高です (2019年11月4日 16時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる
| 作成日時：2018年7月21日 23時
