１７日目 ページ25
相澤side
山城は親の仕事で引っ越した、そんな設定になってる。
それから一週間、山城がいなくなったとしても日常は変わらない。あいつらはいつもみたくバカやって、怒られて、笑ってる。
全部、山城が諦めた事をやって過ごしてる。
「相澤くん、少しいいかい？」
「…なんですか、校長」
「君に渡したい物があってね」
そう言い、校長は歩き出す。それについていく。
ついたのは校長室。デスクの引き出しから一つの茶封筒を取り出し俺に渡してきた。
封を開けてみると、中にはたくさんの手紙。
「校長、コレは一体…」
「本当は彼らが立派なヒーローになってから渡す約束だったけどね…。これを糧に、彼らにはもっと頑張ってほしいと思ってる。
＿＿山城さんには悪いけど、コレを君に託すよ」
「………失礼します」
そう言い校長室を出、小走りで仮眠室へ向かい鍵を閉める。ソファに座り茶封筒から手紙の束取り出す。そこには生徒の名前が書かれていた。
青山から始まり芦戸、蛙吸、飯田、麗日…最後は八百万。
それらを仕舞おうと茶封筒を手にした時、ガサリ、とまだもう一通入ってる事に気付いた。封筒に手を突っ込み手紙を取り出す。
そこには、俺の名前が書かれていた。
ゆっくり、慎重に封筒を開け便箋を取り出す。
《相澤先生へ
これを見てる頃には、私はもうそこにはいないのでしょう。
相澤先生には本当にお世話になりました。
面倒見てくれてありがとうございます。
真剣に私達の事を考えてくれてありがとうございます。
私達と向き合ってくれてありがとうございます。
先生に見つかった時、本当に焦りました。
「もしかしたら、皆にこの事を言うんじゃないか。」って。
でも、そんな必要なかった。先生はいつも、影から私を見てくれていた。それが本当に嬉しかったです。
皆の事をよろしくお願いします。
きっと皆は、とても立派なヒーローになる。私はそう確信しています。
今まで、本当にありがとうございました。
山城A》
「…っ、くっそ…っ」
大丈夫だ山城。あいつらはきっと立派なヒーローになる。なんたって、俺の教え子なんだから。
頬を伝う水を拭き取り、茶封筒に手紙を慎重に戻して教室に向かった。
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琥珀糖君 - 一番最期の手紙がヤオモモでも八百万さんでもなく百ちゃんなのが普通に泣けるよね...視界がぼやけて泣いてることに気づくのに時間かかった... (2022年10月17日 16時) (
レス) @page31 id: 6f9faa66b6 (このIDを非表示/違反報告)
未来 - マジヤバい…感動…めっちゃ泣いた…腫れた (2022年7月31日 22時) (レス) @page32 id: b511dfa76e (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - めちゃくちゃ感動しました。手紙のところで、ウルウルときてしまいました！ (2021年10月30日 0時) (レス) @page33 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
ウサギ - 泣きはしなかったけど、とても良い話ですね！( *´艸) (2021年8月14日 15時) (レス) id: 8b449f7850 (このIDを非表示/違反報告)
らむ@ヴィル様の旦那です(プロフ) - 本気で泣きました…素晴らしい作品をありがとうございます。 (2021年5月26日 1時) (レス) id: c2e37a127a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる
| 作成日時：2018年1月31日 23時
