ブックカフェの情報屋 2巻 【降谷 零・安室 透】

☆第70話 ページ30

あぁ、まただ

まだお兄ちゃんに手が届かない

こんなに近くにいるはずなのにな･･････

「はぁっ･･････はぁっ･･････」

「A･･････ここまでだな」

額に冷たい銃が当てられる

反撃したいのに体が凍りついたように動かない

「お前は弱い、そんな妹いらない」

「Aーーーー！！！！」

額から銃が外れると同時に目の前に立つ頼もしい背中が目に入る

･･････彼が助けてくれた

「邪魔をするな降谷零」

「･･･お前にとっては出来の悪い必要のない妹かもしれないけどな･･････俺のこの世で大切な女なんだよ！！」

「･･･零･･････」

「彼女のことも･････････俺の日本をお前達の好きにはさせない！」

零はお兄ちゃんと互角に戦いを繰り広げる

すごいな･･･

私はまだまだ2人には敵わないんだ

でも･･････

「守られてるだけのヒロインみたいになんてならないんだから」

私だって、彼と同じ目線に立っていたい

隣を歩いていたい

なにを犠牲にしても、彼さえいてくれれば歩いていける

「覚悟を決めたようだな･･･A」

お兄ちゃんは2人相手にしてもまだ話せる余裕があるようだ

零を蹴り飛ばしてから私とグッと距離を縮めるとみぞおちに強烈な一撃を食らわせる

「がっ･････････！！」

意識が遠くなっていく中、彼が名前を呼ぶ声と同時に懐かしく優しい声が耳元で

「幸せになれ」

と呟いた気がした

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