ブックカフェの情報屋【降谷零・安室透】

★第33話 ページ33

ベルモットに呼び出されてパーティー会場である広間から抜け出し、誰もいない地下の駐車場に来た

ちょうど死角になるところに彼女はいて、辺りをよく警戒しながら小声で作戦会議を開始する

「建物を全体的に見て回ったけどどの部屋にも特に厳重な警備はついてないみたいね」

「ですが、稲熊には強力な用心棒がいるとルシアンが言っていたのでしょう？」

「それが用心棒らしき人は見当たらないのよ」

「たしかに稲熊にベッタリくっついている側近も見当たらないですし、基本1人で行動していますしね」

稲熊の開催のパーティーなのだから本人に用心棒がつかないのは理解出来るが、他の部屋も無防備に解放されているのは不思議なものである

「防犯カメラなどは？」

「見て回った限りないわね」

「ジンに報告は？」

「したわよ。そしたらあなたに任務がでたのよ」

「･･･僕に･･･ですか？」

「えぇ、この建物の地下に組織との取引の資料のデータがあるらしいのよ。それを抹消して来いとのことよ」

「へぇ･･･わかりました」

それだけ言うとベルモットはバイクを走らせた

きっと外にいるジンたちの元にいったのだろう

それにしても今回はルシアンの名前をよく聞く

稲熊さんとルシアンは深い関係でもあるのだろうか

ルシアンに関する情報はジンの腹心ってことだけ

Aにルシアンのことを聞いたこともあったが、本人は真面目な顔をして首を傾げただけだった

「さて、始めるか」

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