消息不明のアイドルは 5 (ページ17)

今日:8 hit、昨日:8 hit、合計:50,369 hit

97話ページ17

．

子文くんが語ったのは、監督との“師弟愛の物語”だった

イナズマジャパンのメンバーはその余韻に浸っていた

『そうだったんですね……でも、戦ってきた仲間である子文くんが離れちゃうのは…少し寂しいですね』

どんな理由であれ、やっぱり仲間が居なくなってしまうのは悲しい気持ちになる

『でも…子文くんが敵でも私たち負ける気はないからね！』

稲森｢そうだな！｣

余韻に浸っていたみんなが次々に負けじと声を張る

子文｢葵さん｣

『ん、なぁに？子文くん』

顔をしかめていた子文くんが、私の名前を呼んで腕を引っ張って引き寄せた

……引き寄せた？

『へ…？』

｢え…？｣

｢あ？｣

気づいた時には、私は子文くんの腕の中にすっぽりと収まってしまっていた

灰崎｢てめぇ！！｣

ヒロト｢なにしてやがる！！｣

『こ…子文…くん？』

なんだろう…このデジャブ…。

前にも似たようなことが

子文｢ねぇ、葵さん。俺が今度、日本との試合に勝ったら…俺と付き合ってよ｣

『……へっ？』

｢｢はぁぁああ！！？？｣｣

今……なんて

き、気のせい……？

子文｢所謂一目惚れってやつで、アイドルだし、ジャパンメンバーの中にも恋焦がれている人も居るみたいだったから手を引こうと思ったんだけど…

なんだか思ったより全然進展しないし、それなら別に気にせず告ろうと思って

ねぇ、葵さん俺の彼女になってよ｣

あれ……この感じ…

瞬間、頬に柔らかい感触が伝う

『ぁ…』

｢｢な゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛！！！！？？？？？｣｣

キスをされたのだと気づくのに

そう時間はかからなかった

『え…っと、、』

子文｢奪いに来るから、覚悟しててね｣

そう言って、視聴覚室から去っていく子文くん

呆気に取られて、何も声をかけれなかった

．