消息不明のアイドルは 5 (ページ11)

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91話ページ11

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宿舎につき、皆が夕飯を取っているのを見計らって

私と光兄は部屋の荷物を纏めて、宿舎を出る階段へと向かっていた

『よかったの…？みんなに言わずに出てっちゃって…』

一星｢今更…合わせる顔無いし、みんなには迷惑かけたし…ここは俺の居場所じゃない｣

下を向いて、悲しそうに眉を下げる光兄

そんなこと…ない

そう言おうとした

｢どこへ行くんだ、一星｣

｢まさか、落とし前もつけずに消えるつもりじゃないだろうな？｣

階段の上に立っていたのは稲森さんと灰崎さん

彼らの言葉に光兄は寂しそうに答えた

一星｢俺は長い夢を見ていたみたいだ。でも、自分がやってきたことを忘れたわけじゃない。

君たちの前から消えるよ｣

野坂｢それは都合がよすぎないかな？｣

続いて現れたのは、野坂さんと西蔭さんだった

野坂｢君はチームに多大なる迷惑をかけた。その責任は取ってもらうよ｣

『野坂さん……』

いつになく、責め立てるような口ぶりの野坂先輩

野坂｢正直、僕は君たち双子に興味があるんだ。一星くん、君は僕達を罠にはめるために、フィールドの全選手のデータを把握していた。その分析能力は波じゃない。

葵ちゃん、君にはサッカーの技術はまだまだではあるけれど、それを補えるほどの体力とパワーがある。それに今ここを出ていくのは、危険過ぎるしね｣

危険……まぁ、予想はできる

野坂｢と、言うわけで僕は一星くん君を『戦術の皇帝』の参謀役としてスカウトしたい。

葵ちゃんの実力はまだまだ未知数、僕が手取り足取りじっくりと体に叩き込んであげるからね｣

『…え゛』

そう言って、手と腰を引かれて野坂さんとの距離が一気に縮まる

そ、、そう言えばこの人こーいう人だった…

野坂｢それじゃ、よろしくね｣

『は…はひ…』
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