10話 ページ11
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彩咲 A
これは、私の仕事の時の名前。
私の仕事、それは
『…私、ずっと、、ずっと笠井くんの事が…っ』
「まって、それは俺から言わせて……」
ヒロインの瞳の涙を親指で拭うと、そのまま顔を近づけて……
「カーーット!!いいねぇ彩咲ちゃん!恋する乙女って感じの演技だったよ!!」
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そう、私の仕事は役者だ。
とは言え、まだまだ精進の身であり 事務所の先輩に比べたら全然なんだけど
この仕事は母に勧められて、子役の頃からやっていた。
小さな頃は、顔が可愛いだけで頻繁に起用され 世間では[可愛すぎる天才子役]とか言われていたけれど 今はもう[可愛かっただけの元子役]というマイナスなレッテルが貼られている
だけど、役者として演技をすることは楽しくて大好きで 世間にどう思われようが どうでもよかった
しかし、子役の賞味期限は短いもので 小学生の高学年になる頃には パッタリと仕事は無くなってしまった
年齢を重ねていくと、求められる演技は変わっていく
今の私に求められている演技は、母親に泣きつく可哀想な小さな子どもや、家族に愛される可愛らしい子供じゃない
年相応の 恋する乙女の演技だった。
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『恋する乙女の演技…か。こんなものでいいのか』
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彩華(プロフ) - 初めまして!イナイレの夢小説の時から読まさせて頂いております。作者様の小説は以前から程よい感じの恋愛小説ですのでとても私の好みにハマって読みやすいです。お忙しいとは思いますがこれからも更新頑張ってくださいね。 (7月3日 1時) (レス) @page14 id: 2b870d0ab1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:潮田 さとう | 作成日時:2023年6月27日 3時