【REBORN】包容する大空 ⅩｘＸⅡ【XANXUS】 (ページ14)

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標的1418＊居場所は永遠のものじゃないけど… ページ14

目が覚めて、小さな子供達を席に着かせて朝食を摂る。

建物を出て学校に向かっていれば、大きな声で呼ばれる。

何てことない会話を三人でしながら、学校に着く。

授業を受けて、休憩時間は席を囲んで談笑する。

学校が終わればまっすぐ帰る。

部屋に戻って少し勉強。夕食前には子供達の相手。

夕食を摂って、部屋で就寝まで自由に過ごす。

それが、毎日の事だった。

子供を助けたあの日まで。

大勢に囲まれていた日常は変わった。

父と母。三人で我が家で過ごす。

父は仕事で偶にしか帰って来ないけど、それでも毎日母と一緒にキッチンに立っていれば幸せだった。

初めての事ばかりだった。

そのうち学校での友達も、血の繋がらない家族同然の人が増えた。

かつて三人で歩いた登下校。今もまた三人で、時に人数も増えて歩く。

そしてふとした時に気付く。

忘れそうになっている事を。

私の所為で失った親友も。残して来た傍に居てくれた二人の親友も。

私だけが、忘れて日々をのうのうと生きている。

気付いた瞬間に、手足に鎖が付けられたように体が動かなくなる。

その瞬間はいつも暗闇に一人で取り残されるようだった。

だけどそんな時、いつも名前を呼んでくれた。

情けなくて、弱い私に手を伸ばしてくれた。

だから、頑張ろうと思えた。

辛くて苦しくて痛い。だけどそんな想いを忘れずに進んで行こうと。

何も感じなくなった時が本当に忘れてしまう時。

いつかそんな日が来ても、今だけは。

――行きましょう、十代目。

――ほーら早く。ししっ。

――待ってるから。

自分が強くない事なんて自分がよく分かってる。

だけど、傍にいてくれる皆がいるから。

皆と共にあれるように、少しでも自分がまっすぐ進めるように。

皆が名前を呼んでくれるなら、手を伸ばしてくれるなら、それに値する私でいたい。

――私は知ってる。ボスは……皆がいるから強いんだって。一人じゃないって。だから、一緒に行こう？

辛い事も、悲しみも、全て受け入れて進もう。

そうありたいと思うから。

私の背を押してくれるのは‟今”の皆だけじゃない。‟前”の人達もそう。

――A……

居たいの。

皆の、あの人の傍に………

こんな私が、傍に戻ってもいい……？