検索窓
今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:53,658 hit

29 ページ30

谷崎の電話は事務員から。
内容は依頼人が探偵社に訪ねて来たとの連絡事項だった。





「おや、行かないのかい?」





支払いを終えた社員達が続々と探偵社に戻る中、動く気のないA。
いや、私は与謝野女医に会いに来ただけなんだって。
そう云えば太宰はフフと笑う。
そして、手を出してきた。
Aは首を傾げる。






「…私と手を繋ごうか。」



「…?なんで?」



「誰かと一緒だと寝れるかもしれないよ?」






そうじゃない。だからって何で貴方なんですか。
残りの珈琲を一気に飲み干す。
そんな簡単に寝れたらこんな風に困ってません、と云った。





「……ん、」



「ほら、眠そうじゃないか。探偵社で横になれば良い。手を繋いでてあげるから。」





ニコリ、と笑った太宰を横目にAは眉間のシワを抑えた。
次第にぼんやりとしていく視界に違和感を感じ乍「…いい子だね。」と太宰が頭を撫でる。




何で急に、こんなに眠気が。
襲ってくる睡魔に抗おうとするが、手足の力が抜けて
動く事も出来ない。
カウンターにうつ伏せになる。
カチャン、とカップが音を立てた。



ーーーーあぁ、成程。





「いつ、睡眠薬なんて入れ……」



「……おやすみ。」






全ては太宰の手のひらの上で。
見事に転がされた私は、気を失うように眠りに落ちた。

30→←28



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (89 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
201人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 2ページ 恵 という人が出てきていますが、変換ミスでしょうか? (2021年5月26日 10時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - 安蒜 佑さん» コメントありがとうございます。完全に変換ミスでした、教えて頂きありがとうございます! (2020年8月4日 12時) (レス) id: bb6b46ae88 (このIDを非表示/違反報告)
安蒜 佑(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます!指摘なのですが、"得"一級危険異能力者ではなく"特"一級危険異能力者だと思います。たぶん… (2020年8月4日 0時) (レス) id: 789e459cc4 (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - 匿名さん» ただいまです!自分なりのペースで頑張っていこうと思います、頑張りますのでよろしくお願いします! (2020年7月19日 23時) (レス) id: bb6b46ae88 (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - ピコピコさん» ただいまです!ありがとうございます、頑張ります! (2020年7月19日 23時) (レス) id: bb6b46ae88 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みるく | 作成日時:2020年6月30日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。