天寿をまっとうするやうに。【イソップ･カール】 (ページ6)

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第六話〜少しの苛立ち〜ページ6

歓迎会は終わり、各自、部屋へ戻って行った。

美智子『なんか心配事あったらいつでも言ってな。何でも聞くで』

『おおきに美智子はん！美智子はんおるとほんま安心するわぁ！』

美智子『ふふふ、ほな、うちは部屋戻るわ』

『はい！また！』

私も新しく用意された部屋へ戻る事にした。

だが

『あっ、ケーキ、！あの人んところ持っていかんと！』

食堂に折り返そうとしたとき、後ろから私を呼び戻す声がした。

？『少し、写真を撮ってもいいかい？』

『…写真…ですか？』

ジョセフ『いきなりすまないね、私はジョゼフ。写真家だ。君は確かAと言ったね。』

『はい！でも、何故写真を？』

ジョゼフ『君がここへ来た記念写真さ』

パシャリとシャッターがたかれる。

ジョゼフ『うん、いい表情だ。そうだ、この後2人でお茶でもどうだい？甘いお菓子、日本にはないお茶もあるよ。』

『ほんまですか！でもごめんなさい、私ケーキ持っていかななりまへんの！』

ジョゼフ『ケーキ？……もしやイソップの所にかい？』

『イソップ？』

ジョゼフ『今日食堂に居なかった者だよ。』

『ああ、そうですその人です！あんなに美味しいケーキ食べへんのは勿体無い思って！』

ジョゼフ『まぁ…持っていくのはいいが関わらない方がいいよ。何せあいつは人と接する事を苦手とするからね。社交恐怖症なのさ。特に女性はね。』

『まぁ！でも安心してくださいな！醜女でない限りきっと女性にも心を開いてくれるでしょう！』

イソップ『醜女でも醜女じゃなくても心は開きませんので安心してください。』

『ひぃ''ｯ！？！？』

イソップ『ケーキはいりません。それに、夕飯はもう自室で食べました。余計なお世話です。それでは』

そんな冷たい言葉だけ残して、立ち去ろうとした彼に少し腹が立った

『そ、そんな冷たい事言わんくてもいいじゃないですか！あてはイソップはんと仲良くしたいだけやのに！』

イソップ『……僕は仲良くしようだなんて思っていません。』

そう言い彼は

暗い廊下の闇に飲まれ消えてった

ジョゼフ『ああ言う奴なんだよな。すまないね、時間を取らせてしまった。私も自室に戻るとしよう』

『あ、ジョゼフさん！お時間あればまた誘って下さいな！』

ジョゼフさんと別れた後、自室に戻った私の苛立ちはあまり落ち着かなかった