スイッチを押すとき 2 -bullet train- (ページ8)

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拓弥side ページ8

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拓「柊生、ごめん。」

柊「…えっ？」

あいつらから逃げるために、走りに走った。

二人になりたくて、勝手に晃一たちの所から逃げてきちゃったけど大丈夫だろうか。

みんな、無事に逃げられてるかな。

拓「俺、ずっと柊生に会いたくて。…だからって自分勝手に巻き込んだから。」

柊「……いや。むしろ、俺は嬉しい。拓弥のこと、信じて待ってて良かったぜ？」

俺の事を信じてくれてたのは、嬉しかった。

心の奥底で、もし俺の事忘れてたらどうしようって、俺を嫌いになってたらどうしようって不安だらけだった。

でも、こうして二人で今また再会できた。

柊「助けにきてくれて、ありがとな。」

拓「…俺も…信じて待っててくれて、ありがとう。」

すると、柊生はポケットから徐にスイッチを取り出した。

柊「俺、施設に入って少し経った時から決めてたんだ。拓弥に会えるまでは死ねないって。拓弥に会った時がスイッチを押すときだって。」

……それは、同じだった。

施設にいて、思い浮かべるのはいつも柊生で。

ずっと会いたかったからこそ、これが、俺の最後のひと時なのかもしれない。

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