スイッチを押すとき 2 -bullet train- (ページ34)

今日:4 hit、昨日:8 hit、合計:15,872 hit

太陽side ページ34

.

晃「……俺なんよ。」

………え？

なに、が…………。

晃「太陽の兄は俺や。」

俺の兄が？

晃一？

太「…本当なん？証拠は？」

晃「ちゃんとあるで。」

晃一がポケットから出したのは、四つに折りたたまれた二つの紙。

晃「太陽の兄を探す情報を得るために、トップシークレットの個人情報ファイルを見たんや。そしたら、家族欄に俺の名前が書いてあった。それに、俺の家族欄にも太陽の名前が書いてある。」

二つの紙を渡され、その内容を見ると確かに俺と晃一の名前が書いてあった。

太「じゃあ、晃一は俺が弟だってなんで気づかなかったん…？」

晃「…そもそも、吉野と松尾じゃ苗字が違うやろ。俺は太陽が生まれる前に親が離婚して父親の元で暮らしてた。だから、太陽はその離婚した母親と再婚相手の息子なんや。」

太「…ってことは、晃一とは半分しか血は繋がってないって事？」

晃「そうや。でも、母親は同じ。だから太陽の実質の兄はやっぱり俺ってこと。」

じゃあ、俺の兄は本当に晃一…。

信じられへん。

こんな間近にいた人が兄だったなんて。

太「なんで言うてくれへんかったん？」

晃「…………それは……。」

.