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そしてその後の授業は全く集中出来なくて、村上先生に怒られてみんなとは別に課題を出されたりして散々だったけど、待ちに待った放課後がやってきた。




松「なー、今日カラオケ行こうぜー」



中「あり。駅前でいい?俺あそこのクーポン持ってんだよね」




海人と松倉がそんな会話をしてるなか俺は急いで帰り支度をする。



早くしないとAが帰ってしまう…!




松「OKOK。ちゃかは?」



宮「俺今日パス!」




そう言って教室を出ようとしたら「あのー……」と言ってひょこっと廊下から顔を覗かせる女子がいた。



その女子はさっき一年の廊下で会った女子で。




────やっぱりAだ。




改めて見てそう思った。



面影がある。



そしてAと目が合って向こうも『あ、』と声を出す。俺も話しかけようとしたら「やっぱAちゃんだよね?」と後ろにいた海人が話しかけた。




『あ、海人くん!』




え、知り合い……?




中「初めて学校で会ったよね〜。あ、昨日はDVDありがとう。めっちゃ面白かった」



『あ、もう見たの?早いね〜』



中「今日夜返しに行くし、その時に続き貸してよ」



『もちろんいいよ!』




俺の目の前で笑いながら話をする二人。



なんで、海人とAが知り合いなの?それに昨日って……と思っているとまたAと目が合う。




宮「………………」



『……あの、間違えてたらすごく失礼なんですけど、』



『宮近、海斗…くんですか?』




恐る恐る不安そうに言うA。



俺は忘れられてなかったこと、そしてAから会いに来てくれたことが嬉しくて、




宮「うん、久しぶりだねA」




と笑って答えた。



するとAは安心したように『良かったぁー』と笑う。



昔から変わらないその笑顔を見てああ、やっぱり好きだなぁと思った。



胸がポカポカする。




中「え、海斗とAちゃんって知り合いなの?」



『ほら前に言ったじゃん。この学校に幼なじみがいるかもって』



中「幼なじみ……」




海人は俺とAの顔を交互に見て「あ、なるほどね〜」とニヤニヤ笑った。



……こいつ、楽しんでやがる。




松「え!誰なのこの子!俺全然ついていけてないんだけど!」



中「この子はさっき言ってた海斗のはつこ───モガッ、」




俺は慌てて海人の口を塞いだ。



こいつ!Aの前でいらんこと言うなよ!



まだちゃんと"好き"だなんて伝えれてないんだから!






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作者名:ましろ | 作成日時:2020年10月1日 3時

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