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そして昼ご飯を食べ終わり、時間も時間だし「そろそろ戻るかぁー」と教室に向かう。



自分達の教室に行く近道にと一年の教室の前を通る。



まだ真新しい制服を着て初々しさがある一年を見てそんな時期あったなぁと昔のことを思いだす。



すると俺たちの前を「元太ー、私の財布取ってー」と女子が通る。





元「お前財布も持たずに自販機まで何しに行ってたんだよ」



「んー……散歩?」



元「世界一無駄な散歩だわ」





急に前を歩いていた海人がふと立ち止まって「あれ、あの子……」と呟く。



それに釣られて俺と松倉も足を止め海人の目線の先を追う。





元「気をつけろよなー、A」








宮「A……?」






『ごめんて笑 あ、元太に何頼まれてたっけ?笑』



元「それまで忘れちゃったの?コーラだよコーラ」



『あ、コーラね。了解了解』



元「……やっぱ心配だから俺も行くわ」





そんな会話を目の前でする男女。



女子の方は大きい目にチャームポイントであろう泣きボクロ。



北海道にいるはずの彼女だが間違いない。




Aだ─────……。





俺がAを見て固まっているとそんな俺を不思議に思った松倉に「海斗?」と呼ばれる。



そして振り返ったAと目が合った。




宮「A……」



『………?』





俺に気づいたAが首を傾げる。



俺はその仕草に「えっ、」と胸が痛んだ。



俺はあの日から一度もAのこと忘れることなかったのに、Aはもしかして忘れてる……?



……そうだよな。手紙ももう来てないし。



俺のことなんて忘れて────『カイト?』





宮「え、」





そしてまたAが口を開いて何かを言おうとした瞬間にチャイムが鳴った。





中「やべっ、海斗早く行くぞ!」



松「次村上先生の授業だからちょっとでも遅れたらめっちゃ怒られるぞ!」



宮「あ、でも、」





まだAと話したいことがあるのに!



そう思ったが海人に腕を引っ張られて走らされる。



でも、Aは確かにさっきカイトと言った。



また後で来てみよう。



本当にあの子が俺の会いたかったAなら、話したいことや聞きたいことは沢山沢山ある。







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作者名:ましろ | 作成日時:2020年10月1日 3時

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