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ゆめをかなえる、と。 ページ9

視界に映ったのはサロンだった。
うっすらとした意識の中でも、ひとつ分かることがあった。

それは、ここは夢の中だということ。

そして、今まで以上に意識がハッキリしていた。

周りを見渡すと、そこには昼間の人達がいた。

エースさん。祢音ちゃん。景和さん。ツムちゃん。そして、エースさんと睨み合っていた茶色のメッシュの入った男性。それと、誰かわからない2人。

彼らと"また会おう”と約束をし、夢から覚める。

夢から冷めると同時に、あの懐かしさと恐怖が私を襲う。恐怖は、更に強くなっていることか分かった。


どうやら今日は寝坊しなかった様だ。

いつも通り支度をし、スバイダーフォンを持って家を出る。

いつも通り、ゆらと政宗と合流し、

夢の内容だけを話す。
寝過ごした日にかなりリアルな夢を見た事。
部屋が更にハッキリして、人影がしっかり見えたこと。その中の数人は顔が見えたこと。

そして、その夢に懐かしさと恐怖を覚えた事。

当然、人は誰か分からなかった、と伝えたが。

「何それすっげー!」
と、目を輝かせて話を聞く政宗と

「怖かったって、大丈夫なのかよ、その…毎日見てんだろ、?」
と、私の心配をしてくれるゆら。

「あっ、そうじゃん、ごめん…こんな話させて。」
と落ち着いたのか、政宗も心配してくれた。

『いやー、最近の夢は怖いけど、慣れるでしょ。』

2人に気を使ったわけじゃない。本当にそう考えてる。かなり楽観的な性格だなー。と自分でもしみじみおもう。

「お前なー、たまには頼れって!」
「そーそ!俺ら、ダチなんだから!」

口を揃えてそんなことを言う2人に感謝しつつ、学校へ向かった。


学校からの帰り道。
予想してなかった人物に会う。
浮世英寿だ。

「は?!エース?!」
一番最初に気付いたのは政宗だった。

「うわ!まじやん!サインください!」
ゆらは、鞄の中に入っていたのであろうノートを彼の元へ差し出していた。

彼は無言でサインを書くと、私の後ろへ来て、私の腰に手を回す。

「話があってな。こいつは借りてくぞ?」

『え、あ、ちょ!ゆら!ヘルプ!』

ゆらと政宗に助けを求めるが、どうやら2人は彼のサインの余韻に浸って居るようで。

問答無用でカフェに連れていかれるのだった。

ぼくたちは、→←ゆめを



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作者名:しぃ | 作成日時:2023年9月8日 20時

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