ぼくたちは ページ42
「何故ギーツが"ハイライト”という決めゼリフを多用していたのか……ん〜?」
そう言って景和くんの方に手を、
当然答えは出ない。
「…正解は?デザグラがショーだと言う事を知っていたから。」
『確かに……言われてみればそうかも、』
「狐は化かすのが、お手の物だからね。」
確かに、何が起きても焦った様子がない彼、何もかも見透かしていたようなあの瞳、そして何より、私の夢の話も、まるで見透かしていたようで……
少し時間も経ち、皆とも打ち解けた頃。
私達は五十鈴さんを覗いた4人で、ババ抜きをしていた。
「で、デザイアカードになんて書いたのみんな。」
「そんなのあなたには関係ないでしょ。」
相変わらず言い方に刺がある我那覇さん。
「いや、デザスターが誰か、見抜く手がかりになるかもしれないでしょ?ちなみに俺は…」
そういった途端、五十鈴さんは読んでいた本を音を立てて閉じる。
「退場した人達が蘇った世界、だろう?」
「え…?」
「本当の愛。」
「なんでわかったの…?」
「ちょっとした推理さ。」
五十鈴さんは、皆の行動を見て、願いを当てたようだ。知能指数ナンバーワン、恐ろしい。
「なんかすごい、頭いいんだね。」
「君たちは特に単純で、わかりやすすぎなんだよ。」
そう言いながら私たちがババ抜きをしているテーブルに寄ってくる。
「そして、君は…身体能力の維持…かな?」
「だいたい正解。そう言うアンタは?」
「全人類の記憶。」
『記憶…?』
私がそう言うと、彼は立ち上がり、私の方に向かってきながら話す。
「知識こそが最高の財産だからね。分からないのは、あの男…そして君だ。」
五十鈴さんはそう言って、座っている私と目線が合うように、私の前にかがみ込む。
『私の願い、ですか?』
「あぁ。君は特に目立った行動が無い。特に物欲もなさそうだし…。強いて言えば覇気がない。指図め、最愛の人の復活、と言った所かい?」
彼の問いに首を横に振る。
大きな括りで言えば間違いでは無いのかもしれない。道長さんは死んで、約束を果たすには、道長さんの存在は必要不可家。
『約束を果たすこと、です。』
「約束?それはよっぽど大切で…そして普通には果たせないものなんだろうね。」
『はい、。』
「君のこともだいたい分かった。次は、あの男だ。」
立ち上がった彼が見た先には、帰ってきたエースが居た。
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作者名:しぃ | 作成日時:2023年9月8日 20時