きえそうで ページ41
「皆さん。お疲れ様でした。これから参加者の皆様には、ここで共同生活を送って頂きます。」
「共同生活!?」
「そんな話は初耳だけど!」
当然のようにそんな声が上がる。
「君たちに拒否権はない。」
そう言って、黒のローブに身を包んだ、ゲームマスターが現れる。
「うわ……またヤバそうなゲームマスターが来た……」
景和くんがそんなことを呟く。
緊張感が走る中、ゲームマスターは唐突に身をくねりだし、ローブが落ちる。
「どーもー!新しくゲームマスターに任命された、チラミよ。」
語尾に星がつきそうな勢いで話し出すゲームマスター。
「シクヨロー!!!」
「ナイスリアクション、レッツフレッシュ野菜!」
「カメラー?今のバッチリ取れてるー?」
そんな事を1人で言い続けるチラミさん。
話が長いので要約すると、今回のゲームは、人狼ゲームのようなもの。デザスターという運営のスパイがいるそうで。
「「「だから!スパイ!」」」
景和くん、我那覇さんはお互いを、袮音ちゃんは五十鈴さんを指さしてそう言い放つ。
「君たち単純すぎるよ。そう簡単に、スパイが分かるわけないでしょ?」
流石は知能指数ナンバーワン、冷静だ……
デザスターは、最後まで残ればデザ神の座を横取りできるそうだ。
『この中の誰かが…』
「だから少数精鋭でスタートって訳ね。」
それぞれ生活スペースを確保し、男子禁制の線を引く。
そして、席を外していた景和くんは、その線に気づかず、線の内側にあるソファーに座り、我那覇さんにソファー事投げ飛ばされる。
流石身体能力ナンバーワン、
「このラインから先はは男子禁制。立ち入ったらタダじゃ済まないよ。」
「済まないよ。」
『何もそこまでしなくても……』
そう言いはするが、男女の共同生活ともなれば当然のことだろう。
「もうタダじゃ済んでないし……」
そう言って周りを見る景和くん。
もう既にいい場所は取られていて、景和くんの生活スペースはないに等しい。
「エース!ちょっと場所分けて!」
「居ないよ。運営側と秘密のミッションの打ち合わせ…だったりして。」
「エースがデザスターって疑ってるの?」
「まぁね。」
「え?!なんでなんでなんで?!」
そう聞かれて、五十鈴さんは指を鳴らす。
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作者名:しぃ | 作成日時:2023年9月8日 20時