たいせつなおもいは ページ27
気がつくと、辺りはすっかり暗く、時計を見ると9時を回っていた。
「もうこんな時間か、。悪かったな長居して。」
『もうこんな時間ですし、泊まっていきません?』
「は!?お前、警戒心ってもんねぇのかよ!?」
『だって、道長さんは変なことしなさそうですし。そんなことしても道長さんは得しませんしね。』
「お前なぁ…。」
道長さんは、呆れたような顔をし、外を見る。
「……風呂借りんぞ。」
『パジャマどうします?tシャツとズボンぐらいならありますけど、』
「じゃあそれ借りる。」
道長さんがお風呂に入っている間にベッドのシーツを変え、ベッドを整える。
「上がった。」
『道長さんはベッドどうぞ!』
「俺はソファーでいい。」
『せっかくベッド整えたんですから使ってくださいよー』
そう言ってお願いすると、彼は折れたようでベッドの方へ向かっていった。
『おやすみなさい!』
「おやすみ。」
そう言って彼は布団に入った。
おやすみ、と言う会話はいつぶりだろうか。
暖かい気持ちになりながら、風呂に入り、布団に入る。
その日の夢も、また同じ夢だった。ただ、道長さんと、仲良くなれた気がしているからか、彼が居ないことが怖くて仕方なかった。
-おい、起きろよ、-
そんな声が聞こえて目が覚める。
「起きたか、魘されてたぞ。すげー汗だし。」
『みち、ながさん、?』
「は?俺だけど。」
寝ぼけているせいで夢と現実がごっちゃになり、道長さんが存在している事に安心感を覚え、涙が出る。
「ちょ、泣くなよ!?なんかあったか?」
「ちが、みちながさ、ちゃんといたから……」
そんなしっちゃかめっちゃかの発言を、彼は背中をさすりながら聞いてくれた。
勢いに任せ、そのまま夢の話もしてしまったが、彼は馬鹿にすることなく聞いてくれた。
「辛かったな、。まぁ力になれっか分かんねぇけどなんかあったらまた聞かせろ。」
そう言って、彼は家を出る。
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作者名:しぃ | 作成日時:2023年9月8日 20時