きみにつたえたかった ページ26
帰り道、偶然にもジョギング中の道長さんに会った。
『あ、道長さん!』
「おう。って、女が1人でこんな遅くに外歩くなよ、」
『祢音ちゃんとお出かけしてたら遅くなっちゃいましてw』
道長さんは、怒ったような、けど、どこか優しい表情を向けてくる。
「家どの辺だ。」
『え、えっと、◯◯がある辺りです、』
私は家の近くにある建物の名前を上げる。
「丁度ジョギングコース。送ってく。」
目線を逸らしながら送りの提案をしてくれる。
『悪いですよ、。それに、自分、洒落っ気ないから危ない事なんてないと思いますよ?』
「勘違いすんな。ジョギングついでだ。」
そこには、道長さんなりの気遣いが見えた。
『じゃあ、お言葉に甘えて!』
「おう。」
そこから道長さんとは、他愛のない話をして帰った。思っていたより彼との会話は弾み、段々と彼の顔にもほんのちょっと笑みが浮かんでいた。
『あ、家ここです!送って頂いてありがとうございました!』
「おう。じゃあな。」
そういい進もうとした時、グー、と彼のお腹の音がした。
『道長さん、夕飯まだなんですか?』
「いや、食ったけど腹減った。」
『私もお腹すいちゃったんで、何か作りましょうか?』
私がそう言うと、彼は焦ったような表情をする。
「は!?おま、」
『お礼も兼ねて!そこまで豪華なものは作れませんけど…』
「いや、」
そういった途端、彼のお腹が先程よりもすこしつよくなく。
「食います…。」
道長さんを家に招き、お互い夕飯を食べたということで 卵とじうどん を作ることにした。
超簡単な料理だけど。
『出来ましたよー。』
「美味そー、サンキュ。」
『どーいたしまして!さ、たべましょ!』
「『いただきます。』」
道長さんは、1口食べると ぱぁっと明るい顔を見せる。
「うめぇ、お前天才か、!?」
『そんなことないですよw』
とても簡単な料理なのにそんな事を言ってくれる道長さん。作りがいがあるなぁ、なんて思いながら会話を続ける。
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作者名:しぃ | 作成日時:2023年9月8日 20時