にちじょう。 ページ3
学校は滞りなく進み、下校の時間。
私は相変わらずゆらと政宗と帰っていた。
ふたりとの会話は相変わらず夢の話だった。
ふたりと帰っていると、こちらに向かってくる人影が見えた。
普段はそんなことは気にしないのだが、何故だかとてもその人のことが気になった。
見たことがあるような気がして、とても、大事な人な気がして…。
段々とシルエットが分かってきて、その人影が女性だということが分かった。
もうすぐ通り過ぎるな、と言う時に、彼女は私達に向かってきていることが分かった。
その女性は私の前に出ると、謎の箱を差し出した。
-AA様。おめでとうございます。今日から貴方は仮面ライダーです!-
華奢な体つきで、白と黒の上品なワンピースに身を包むポニーテールの女性。その女性はツムリと名乗った。
見たことがあるような気がするのに、思い出せない。
私は、彼女のことを思い出すことに集中してしまっていた。
「仮面ライダー?!何それすっげー!!おい!A受け取れよ!」
そんな政宗の声で我に返る。
『あ、あぁ…ごめん。えっと、ありがとうございます、?』
「いえ、では失礼します。」
彼女は少し微笑むと、私達を通り過ぎ、景色に溶けていった。
2人から催促され箱を開ける。
中身はうさぎの絵が描かれた丸い物体と、
黒と白の大きめな物体。
「すげーじゃん!かっけー、いいなー。」
政宗はこーいう物が好きだったので、自分が選ばれなかったことに少ししょぼくれているようだった。
「A、ヒーローみたいなもんになんだろ?!無茶しすぎんなよ?」
ゆらは、少し無理をしすぎてしまう性格の私を気遣ってくれた。
『なんか、よくわかんないけど…がんばる!』
そんなふたりのお陰で私は覚悟が決まるのだった。
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作者名:しぃ | 作成日時:2023年9月8日 20時