もとめつづけて。 ページ14
道長さんは、人気のないところに行くと、奏斗くんのことを教えてくれた。
小金屋さんと組んで、私を落とそうとしていること。
私との事は全て遊びだと言っていたと言うこと。
『なんで、教えてくれたんですか？』
｢勘違いすんな。卑怯な真似が嫌いだっただけだ。｣
そう言って背中を向ける道長さん。てっきりそのままどこかに行くと思ってたけど、何故か動かない。
『あの……？』
｢声、震えてんぞ。誰か来たら教えてやっから、気の済むまで泣け。｣
たとえ数日でも、好きじゃなかったとしても、やっぱり相当来ていたいたようで…。第2フェーズまで、私は泣くことしか出来なかった。
第2フェーズは、ギリギリでパンクジャックさんの動きを理解し、1ペア倒すことが出来た。
攻略法を教えてくれた2人には感謝しかない。
第2フェーズの休憩時間、私は誰にも会いたくなくて、人気のない場所ですごした。
彼と仲が良かったゆらになんて話そう、これからどんな顔して彼と会えば…。と、悩んでいると、景和さんが来た。
｢やっぱり！Aちゃんここにいた！｣
『景和さん、？なんで…』
｢あ、そーだ。聞いてよー、｣
どうやら休憩時間中に一悶着あったようで…。
私以外集まっていたから心配してくれてた様子。
苦労話なのに、景和さんの話し方が面白くて、ついつい笑ってしまった。
｢ねー！笑うの酷くない?!｣
『すみませんw面白くて…w』
そう言う景和さんも顔が緩んでいて、
そんな空間に和んでしまっていた。
｢てか！やーっとAちゃん笑った！その方がいいよ！笑顔大事！｣
『ありがとうございます、景和さん』
｢んー、やっぱり、距離感じるんだよなー。ね！敬語とさん付け辞めない？俺もタメで話してるし！｣
『えと、景和くん？』
｢その方がしっくりくる！じや、改めてよろしくね！｣
『う、うん！』
そう言って景和くんは去っていった。
不思議と、もう彼の事を悔やむという気分ではなかった。それよりも、私は皆と一緒に居たい。
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作者名：しぃ | 作成日時：2023年9月8日 20時
