デザイアを満たす日常を。

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僕は、恋をした。
デザイアグランプリ参加者の輪の中に咲く一輪の花、ムードメーカーのような彼女に心を奪われてしまった。

可愛くて、優しくて明るくて、しっかりしているのにどこか抜けている彼女。そして何よりふわふわとした笑顔。…僕はどうしようもなく彼女に惚れ込んでしまったようだった。

彼女も僕のことを想ってくれている。彼女の様子からそれはすぐに分かっていた。それなのに勇気が出なくて、声をかけられなかった。



とある日のデザグラ。今日のジャマトは僕と相性が悪い。最悪だ。
そんな日に限ってジャマトは集中的に僕を狙ってくる。視界に微かに彼女が見える。

やめてくれ、こんなかっこ悪い僕を見ないでくれ、。そんなことを考えていると、ジャマトの攻撃により体勢が崩れる。

あぁ、。カッコわるいなぁ、。こんな所で、彼女の目の前で死ぬなんて、。と死を覚悟した、はずだった。痛みがこない。目を開けた瞬間飛び込んできた景色は彼女が僕を庇った様子だった。

少し動揺をしつつ、頭をフル回転。少し怒りに任せ、相性の悪いはずのジャマトを一掃する。火事場の馬鹿力ってやつか。興味深い。

急いで変身を解除し、彼女の元へ。
「なんでこんな真似をしたんだい、？」
「そんなの、好き、だからですよ。」
そう笑顔で返す彼女。本当は僕が守れたはずの笑顔、それを守れなかったことにイラつきを覚えながら一生懸命笑顔を作る。彼女の出血量からして死にはしないだろう。

「知ってたさ、。それとその出血量じゃ死なないよ。せいぜい脱落だね。」
そんな言葉に彼女は安堵の表情を浮かべる。
「どうせ君は忘れるんだ、。せっかくだから僕の気持ちも伝えなければね。僕も君のことが好きだ、その笑顔も、少し足りない頭も全て。」
…我ながらムードも何も無い告白、。君に嫌われてしまうかな。
「……そんなこと、言われたら。忘れたくなくなっちゃいますよ…。忘れちゃうのに、。」
そんな言葉を放った君は涙を流す。こんな僕でさえ愛してくれるんだね、君は。

ーA様。これ以上の参加は危険なため、ここで脱落とさせていただきます。ー

…彼女の身体がリタイアという音声とともに崩れていく。僕の目が潤んでいくのがわかった。
君は全部忘れる。これくらいとってもいいだろう？と考え彼女の口を塞ぐ。
「……血の味だ、。」
そんな言葉を最後に彼女は崩れて消えた。

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