Bs11と ページ42
『いらっしゃいです。マジでなんもないすけど』
「お邪魔しま〜す……マジでなんもないじゃん」
『だから言ったでしょ』
2人で話そうなんて言って、招かれた凪の部屋。
インテリアとかが結構好きで、色味とかも結構気にする凪の部屋は変わり果てていて。
物はほとんど無くて、小さな簡易テーブルとまだ運ばれていないフカフカのベットだけが残されていた。
「もう全部あっちに送っちゃったの?」
『はい。少しずつ移動させてて』
「そっか。あのオシャレな部屋がここまで変わっちゃうなんてな〜」
『オシャレでもなかったでしょ笑福也さんは俺の部屋、いっぱい来てますもんね』
「そうだね。膝枕もしたし?」
『へへ、またやってくださいよ』
「もう途中で寝られるのは勘弁だよ笑」
なんて、他愛もない会話も
もうこれが最後なんだなぁって思うとやっぱり寂しい。
『ねぇ福也さん』
「ん?」
『…日ハム行くって、ホントですか』
「…どこから聞いたの?」
まさか凪が知ってると思わなかった。
というのも凪は、日本シリーズが終わってから結構バタバタしていて
あんまりスマホとか見てないって言ってたから。
『スタッフさんが話してました。』
「まーね、もっと広い野球知りたいもんな」
『…理由、それだけ?』
机の上に置かれた俺の手をニギニギしながら、そう聞いている凪は
まるで家族か、弟のようで。
「父さんの影響もあるかな、まぁ目標でもあったしね。楽しんでこようと思うよ。…凪も由伸も進んでるんだしさ、応援してるよ」
『…福さんが他の球団を良いように言うのは』
ギュッ
凪の手に力がこもった。
『少し気に食わないですけど…』
『きっと福さんはどんなユニフォームも似合うんで…』
そういった凪の目からは
大粒の涙が雨のように溢れていて。
『俺、余程の事がないともう泣かないんで!』
先日そういって居た凪の声が思い出される。
俺の移籍は、余程の事なのか。
そう思うと、嬉しくて。
思わず笑ってしまった。
『…ズビ…なんでわらってるんですか』
「いや、可愛い後輩持ったなぁって」
『…ずっと、福さんの後輩で居させてくださいね。自慢しても、いいですよ。俺のこうはいはメジャーリーガーなんだーって…自慢できるこうはいになりますから…』
「うん、自慢させてよ。」
『俺もさちさんの、こと…自慢するから…』
「はは、自慢してね」
自慢出来る後輩に"なる"って、
もう十分、自慢出来るのになぁ。
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みんた - マウントを取る宮城くんかわよい…😭 (10月2日 22時) (レス) @page35 id: 5fbd44038e (このIDを非表示/違反報告)
あかい(プロフ) - ぱりぱりさん» リクエストありがとうございました!!しゅんぺーたのあのなんとも言えない可愛いお顔が大好きです😘 (8月19日 13時) (レス) id: 2b53464a18 (このIDを非表示/違反報告)
あかい(プロフ) - みんたさん» リクエストありがとうございました!!よわよわよちのぶ…これは癖になりますね(?) (8月19日 13時) (レス) @page28 id: 2b53464a18 (このIDを非表示/違反報告)
みんた - わぁい!悪夢のお話、採用ありがとうございます!!本当に嬉しいです…✨よわよわ由伸たのちんでいただけてよかったです☺️ (8月16日 23時) (レス) @page25 id: 5fbd44038e (このIDを非表示/違反報告)
ぱりぱり(プロフ) - しゅんぺーた推しなので、ぺーたが出てくれると嬉しいです!憧れの凪さんとご飯!とか、凪さんの隣に座っちゃったとか、凪さんにピッチング褒められたとか、内容は何でも大丈夫です!よろしくお願いいたします! (8月15日 21時) (レス) @page21 id: 69dbc4e79e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あかい x他1人 | 作成日時:2023年7月23日 23時