やっと ページ43
栗山監督胴上げして、
で、ビールかけ。
ビールかけは、俺泣かなかった。
多分嬉しさが勝っちゃったんだと思う。
この後泣きそうだなぁ、なんて呑気なことを考えてたら秀悟が顔面にビールかけやがった。
秀悟「うぇーーーい!!!!」
『ぅえッ!!!!てめーーー!!!』
楽しいなぁ、
終わってしまったのは寂しいけど、でもやっぱり
嬉しかった。
パ・リーグ、セ・リーグ問わず、みんな仲間になるのも
メジャーリーガーの凄い球受けるのも、
あんなにたくさんの人に見られるのも、
由伸達と離れたのも、
翔平とずっと居られたことも。
全部全部、初めてだった。
選ばれし人間しか居られないこの場所で、
こんなに素晴らしい人たちと一緒にプレーできて、
本当に嬉しかった。
その中で、自分も結果を残せたことも。嬉しかった。
この経験を、
きっと移すんだ。
メジャーに。
ビールかけが終わった後、翔平の部屋に向かった。
翔平「お疲れ。入って」
『お疲れ様。ごめんね夜中に』
「まだアドレナリン止まんなくて眠気がなくて困ってたとこ。全然大丈夫。」
『ありがと。』
「で、何?話って。」
翔平は椅子に座ってペットボトルのお茶に口を付けた。
久しぶりに見たような気がする、翔平のプライベート。
それにもなんだか、嬉しくなっちゃって。
「…何。俺の顔になんか付いてる?」
『んーん、なんにも付いてない』
「なんでそんな見んの笑穴空いちゃう」
『翔平はそんなヤワじゃないから大丈夫』
なんて雑談を交わしながら。
ちゃんと言うことは言うよ。
『_________翔平。』
「ん?」
『俺、いつだって翔平が目標だったよ。』
「…うん」
『翔平を目指して、翔平に追いつけるように
毎日毎日努力してきた。
翔平の隣に立っても恥ずかしくないように、
練習してきたよ。』
「うん」
『でも俺が努力するように、
翔平も努力してた。
何回バット振ったって、
何回ボールを投げてたって、
翔平には勝てなかった。』
「うん」
『でも翔平はずっと上にいてくれたから、
俺は目標が消えなかったよ。
ずっと翔平だけを追ってた。』
「うん」
『ポジションも違うし、持ち味も違う。でも、それでも俺は、翔平の見てる世界が見てみたい』
「…」
『だから俺、決めたよ。翔平。すっごい長かった気もするな』
「…もしかして」
『うん。俺
メジャー、行くよ』
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作者名:あかい x他1人 | 作成日時:2023年7月3日 0時