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8回からは憧れのダルさんがマウンドに上がった。
力強い球がミットに吸い込まれて行く感覚。
これにはいつまでも魅力されるなぁ、なんて思いながらピッチングをしていたその時。
フルスイング。
ダルさんの球はライトスタンドに入っていった。
まじか。同点。
この場面での同点はキツすぎる。
なんて他人事に考えながら
その後2人抑えてベンチへ。
もうヤバイかもしれない。
俺打てないかも。
なんてマイナスな言葉が頭の中を支配する。
嫌だ。三振はしたくない。
みんな翔平に期待してるんだ。なら翔平とかに続けた方がいいんじゃないのか。
翔平。翔平。翔平。
もう軽くパニックになってる俺の目の前には
いつもと変わらない表情の由伸が立っていた。
由伸は俺の目を、真っ直ぐ捉えてこう言った。
「信じとるよ」
それだけ。
まるで俺の考えていることを、全て見透かしたような目でこちらを見つめる由伸。
___________そうだ。俺は、本塁打王。
打てるんだ。
だから、メジャーに行こうとも思えたんだ。
やっと自我を取り戻してきた。
由伸にハグして、ありがとぅと言うと笑って見送ってくれた。
たった今、源田さんがアウトになり2死。
俺の応援歌も聞こえてくる。
みんな期待してくれてる。
さっきまでの自分に腹たってきた。
でも、翔平にみんな期待してるのも事実だろう。
…腹立つな。
みんな俺を差し置いて目立って!!!!
許せない!!!!
ボールを見据えて、バットを構える。
もっと
もっと
もっと!!!!
『俺を見ろ!!!!』
カァン!!!!
ウォォォォォオオオオオ!!!
高々と上がったボール。
入る。
そう確信した。
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今更文字の大きさとか変えられるの知った人です()
占ツクめちゃくちゃ便利…!!!!
超楽しいです!!!!
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作者名:あかい x他1人 | 作成日時:2023年7月3日 0時