運命を乗り越えて。 (ページ18)

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ピッチングの不満ページ18

『さーー今日は由伸から』

防具を着けながらスイッチを入れる。
ここにいるのはみんな凄い人ばかりだ。気を抜いていたらあっという間に抜かされてしまう。

一人しかいない部屋で、ピッチングの準備をする。
若干長い髪の毛をオールバックにし、ヘルメットを被る。やっぱ坊主が楽だったな。

そんな事を思いながらロッカーで着々と準備をしていると、誰かが入ってきた。

宮城「お。」

朗希「あ。」

『え』

『大弥と朗希じゃん。』

有名なピッチャーコンビが入ってきた。
なんか身長差彼氏と彼女みたいだな。朗希が隣にいると大弥が小さく見える。

宮城「全部口から出てますよ凪さん。嫌み？」

『いやーだってバックハグとかしてんじゃん。』

朗希「まぁ仲良しなんで？」

そう言いながらニコニコしている2人はやはり仲が良いのだろう。なんか羨ましいな。

『てか2人は今日何すんの？ピッチング？』

宮城「おれはゆるーくストレッチしたあとにかるーくピッチングでーす。」

朗希「俺はピッチング…」

『へーやっぱピッチャーだな』

いつもはこんなに抜けてる2人だが、試合になると有り得ないくらい頼もしくなるのだ。
やっぱり、ピッチャーって素質だなぁ。

宮城「凪さんは今日も由伸さんとでしょ？いいなぁ由伸さん」

『毎日見てるから普通の練習と大して変わんないけどね。』

宮城「いーなーー」

『お前のも今度受けんだろ！我慢しなさい我慢！』

朗希「あの、凪さん？」

『ん？』

朗希「もう侍ジャパン始まって何日か経つのにいまだに俺、受けてもらったことないですよね？」

『…確かに。』

そういえば。色んな人の受けてたけど朗希のは受けたことない。

朗希「なんでですか？誰かが企んでるんですね？絶対そうだ。」

『今度受けるって』

朗希「俺学生の時から凪さんに受けてもらいたいと思ってたんですよ？！おかしいじゃないですか！やっと凪さんに受けてもらえると思ったのに！！」

『いやーーー朗希俺のこと大好き何だなぁ。落ち着けって。監督に言っとく。明日にでも出来ないかな』

朗希「…凪さん大好き」

宮城「俺もだいすき」

いや、朗希もこんなこと言うんだな。あまりにも感情的でびびった。
いややはり後輩は可愛い。

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(朗希俺のこと学生の時から見てたの？)
(タオル持ってます)
(がちやん。)

(凪遅い！！！！！)
ブルペンでは由伸が怒りながら待っていましたとさ。
めでたしめでたし。