【水上颯】Jemand, Finde mich. (ページ4)

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第１４８話ページ4

なんでだろうな

目が覚めたときは、

今よりも柔軟な考えができてたんだけどなぁ、、

兄さんがいた芸能界に入ってからというものの

こんな心が屈折した頭の回転しかできなくなった

なんでだろうな、って思っても考えはしない

だってこれは必要ないものだから

…じゃあ、今はどっち？

水上「か、かか関係ないだろ！？」

貴方「さっきと言ってること違うけど？」

目の前の男、水上颯

不快だと突っ掛かってきた割には、

今では歯切れが悪くなってる

多分、その賢い頭を使って解決策でも考えてんのかな

…そんなことしても無駄なのに

つーかさ、、

貴方「普通こうやって壁に押し付けられたらさぁ、、

離せーとか、ジタバタ抵抗するもんじゃねーの？」

水上「！」

貴方「…俺実際会ったことないから知らねーけどさ、

そ～んな似てんの？」

水上「…ッ、」

あーあ、、黙っちゃったよ

でもやっぱり似てんだなぁ

貴方「…」

俯いたままにいるこいつの耳元に近づいて

貴方「ボソッ))…颯、」

と囁いた瞬間、

水上「！！」

反射的に顔を上げたけど

紅潮したままの白い肌と、

めいいっぱい開かれた目には涙が滲んでいて

まんま物欲にとらわれた表情をしている

…んなツラで、兄さんを見ていたのか

水上「ゃ、もうやめて、、ホント、」

そしてその縋っているツラを、兄さんは、、

貴方「……気持ち悪ぃな、お前」

水上「ビクッ))…だったらもういいだろ、」

震えながら絞り出された男性にしては少し高めの声

カタカタと握りしめられた手と硬く閉じられた目蓋

水上「早く離し..ッ！？」

なんでだろうな

水上「な、なん、で、、？」

貴方「お前を見ていると虫唾が走るんだよ」

なんで、、俺は、、殺意を覚えてんだろうな