【水上颯】Jemand, Finde mich. (ページ12)

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第１５６話ページ12

ピタリと大人しくなり

掴んだままの腕は力んだままで

水上「…なんの、こと？」

シャワーの音で掻き消されそうなくらいな声

テレビで聞くふわふわした声は微かに震えている

貴方「あの男とクイズの話してたんだろ？

ならな～んで臭うのかなぁーって思って」

水上「ちが..((貴方「嘘はよくねーよ？」…」

冷水から徐々に適温ぐらいのお湯になってきたからか

鳥肌も徐々に引いてきた

貴方「俺さ、もともと五感が他に比べて優れてんの

だから洗い流した匂いでもすーぐ分かるわけ」

水上「…！」

どう言い訳をしようか、なんて考えてんだろうな

貴方「ま、俺には関係ねぇしどうでもいいんだが？

けど、自分以外の野郎に抱かれているお前の姿を、

果たして光永伊吹は望んでるのかねぇ？」

水上「…ッ、」

貴方「そこまで言うなら、なんで助けなかったんだよ

…そんな顔してるな」

水上「…」

何も言わなくても思ってることすぐ分かるなぁ

貴方「まぁ、呼ばれなかったからな」

水上「は？」

貴方「お前はあのとき助けてほしかったけど、

“ 助けて ” って言わなかっただろ？」

水上「…言ったら助けたって、そう言いたいのかよ」

貴方「俺的にあまり首突っ込みたくないのが本音だが

あの男はいい話聞かないから早く縁を切れ」

話は本当だが業界でも知ってるのはごく一部

ああいう人間からしてみれば、

右も左も分からない人間はちょうどいいオモチャだ

貴方「お前は医者になるという将来が約束されてる

今までの努力と自分の未来をドブに捨ててーのか？」

つか、なんで俺がこいつの背中押すようなことを、、

水上「だ、って、、俺と、伊吹がキスしてる写真、、

見せられて、、メディアに流すって..」

……はぁ、なるほどな

光永伊吹に思考が支配されてるってわけか

貴方「ボソッ))…ま、俺もだけど」

水上「え、何が」

キュ、とシャワーを止め

水上「った！？」

不思議そうに見上げる水上颯にデコピンしてやった←