【紫】Snow Manの帝王様、最近破局したらしい Ⅱ (ページ29)

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渡辺さんと橘さんページ29

～渡辺side～

ジュースを買いに自販機に行くと既に先客がいた

渡辺「あ、」

橘「ビクッ))…お疲れ様です渡辺さん」

最近俺たちのメイクさんになった橘さん

自販機のボタンを押そうとしてる体勢のまま固まって

信じられない、という風に頭から足元までを2回見る

まぁ何というか、分かりやすく警戒されてんだよね

……俺なんか橘さんにしたっけ？

橘「あ、ぉ、お先にどうぞ」

手を引っ込めて腰を屈めてスススッと退こうとする

渡辺「え、」

見ると自販機は早く商品を選べと待ってる状態

…この子マジで言ってんの？

渡辺「まだ選んでないじゃん」

一瞬きょとんとするも理解したのか

ハッと口が少し開く

橘「ぁ、え、えっと、、

では、すみません、、し失礼します」

屈みながらピッと押し、

落ちてきた小さいサイズのリンゴジュースを手に取る

渡辺「…リンゴジュース好きなの？」

何となく聞いてみると先程同様ビクッと肩を揺らす

「…はい」と消えそうな声が返ってきたと思いきや

橘「では私は、これで、失礼します！」

ペコリと頭を下げられて俺もちょっとビビった隙に

忍者かって思うくらいのスピードでその場を去った

渡辺「……何だあの子」

あの顔を見る限りファンではないことは確かだけど、

メイクしてもらってるときはそうでもなかったのに

やっぱ俺なんかやったかな、と自販機に小銭を入れ

目当てのジュースとお釣りを手に持つと、

渡辺「…マジかよ」

明らかに10円玉の数が多いことに気付く