【ツルネ】“弓道だけが魅力ではない系”女子。

第１１０話 ページ17

竹早「はい、これ」



貴方「あ、、ありがとう」




待ってて、と言われ一分も経たないうちに戻ってきた


受け取ると、なんだかふんわりした肌触りだった


洗剤が違うとここまで違うのか、と感心していると




ガチャリ、とドアが開いて






竹早母「あら、、お客さ、、え！？」



おそらく静弥のお母様かな





貴方「ぉ、お邪魔しています！」



ぺこっと頭を下げると「え、え？」と混乱気味になる





竹早母「静弥が女の子を連れてくるなんて、、！」



竹早「母さん何言ってるの」




……なんだろ、、鳴宮くんといるときとは違う



やっぱり思春期だから？





竹早母「…静弥のことこれからもよろしくね」



ふふ、と微笑むその表情は




貴方「(あ、、静弥そっくり)」



親子共々よく似ている





私なんて、、




竹早「……、僕送ってくるね」



竹早母「分かったわ


また遊びにいらっしゃいね」





貴方「はい、」



優しそうなお母様だなぁ、、とぼんやり見ていたら





竹早「ほら、行こ」



クイっと手を引かれ慌てて「お邪魔しました」と言う






貴方「ちょ、と、、静弥？



引かれなくても私ちゃんと帰れるよ？」





竹早「A」



振り返る静弥の表情はなんだか真剣





貴方「ど、どうしたの？」




竹早「どうしたのはこっちのセリフだ


ここんとこ、的前での集中力が尋常じゃないし


なんだか変だよ」




……ッ、、本当、鋭すぎるよ






貴方「変って、、何が？」




竹早「愁に告白でもされた？」





貴方「！？…ぇ、こ、、ッ」



ブンブンと首を左右に振るけど




握られた手は依然離されなくて



むしろさっきよりも強くなった







竹早「そう、、ならよかった」




？





俯いて「よかった」と言ってからまた向き直る



まっすぐで、、逸らすことを許されない視線





竹早「Aが好きだ」







、、え？




竹早「キミがどれだけ愁に執着していても



…僕は、鴻谷Aが好きだ」





す、、



貴方「え、、ぁ、え？」




気づけばブロック塀と静弥に挟まれ


互いのおでこが触れる






竹早「正直に言えば、、このまま独り占めしたい」



貴方「…ッ、」





ゴク、と唾を飲んで




ただ同じような瞳を見つめるしかできなくて



震えることもなく思うように体が動かなかった

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