【水上颯】Reine Liebe ． (ページ15)

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第１３話～水上side～ページ15

持ち前のポーカーフェイスで平然を装いながら

伊吹のもとへ向かう

水上「ガチャ))…伊吹、出た、、よ」

あれ、いない？

どこ行ったんだろとなんとなくソファを覗いてみると

水上「！？」

本を顔に乗せたまま寝ていた

てかこれ、、台本？

水上「…(『ひよっこ』、てことは朝ドラか)」

そのまま手にとって

ペラ、と1ページめくるとキャストの名前

伊吹の役名は、、［前田秀俊］って名前か

もう1ページめくるとセリフが始まる

水上「……朝ドラでも二枚目か」

そして至るところに殴り書きがしてある

解読不可能だし赤ペンとかもあるから瘡蓋(かさぶた)みたい

しかも所々破れてるし、、

何回も繰り返し練習したのかな、と伊吹を見る

朝ドラの撮影はかなりハードって聞くし

その上、大学行って医学学んでるとか

伊吹って一体どこまで行くんだろう

…と、ふと思うときがある

伊吹「…ん、、やば、寝ちまってた」

水上「あ、おはよう」

伊吹「お、出たか

テーブルにラップして置いてるから、食べといて」

水上「……あ、これ返す」

伊吹「ん？…ああ、台本か」

ありがと、と受けとる伊吹はまだ眠そうで

しっかり睡眠時間とれてるのか、心配だな

水上「…忙しいんだな」

伊吹「まぁ、ありがたいことだからねぇ」

伸びをしながら脱衣所に向かう背中を見つめる

水上「……」

またこの感じだ

なんの力にもなれない自分にイライラする

だからといって俺にできることなんて、、

伊吹「？どうした、颯」

水上「え」

気づいたら俺の手は伊吹の手に伸びて掴んでいた

水上「……いや、、ごめん」

なんでもない、と手を離すと

伊吹「そうか？

じゃあ風呂行ってくる」

その背中にどれだけのプレッシャーを背負ってるんだろ