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「…いや、おかしすぎない？この状況」
あの後家に帰って普通にお風呂に入って夜ご飯を食べて携帯を眺めて、いつも通り単語帳をパラパラと読んで勉強した気になって布団に入って寝…れるわけがなかった。
よく考えたら、旧校舎になんで当然のように松村くんがいるんだ？いや、それを言われたら「なんでお前も旧校舎にいるんだよ」と言う感じだが私は理由があるっちゃあるし。でも松村くんはクラスも違うし、なんだか言葉を聞く限りだいぶ前から居座ってそうな雰囲気あったし。そもそもなんかぬるっと話ができたし微妙に初対面じゃないから気まずくはなかったけど関係性も謎だし、これは、なに？
ていうかあそこで1人でずっといたのかな、てかそもそも何してたんだ？と思うも手元にあった難しそうな小説を思い出して「…ああいうの集中して読むにはいい場所か」と納得してやっと眠ることができた。でも松村くんの顔は、前に見た時よりもやっぱりずっと優しく見えたな、真顔でも、笑顔でも。
次の日、いつも通りに眠い目をこすりながら遅刻ギリギリの電車に飛び乗り学校に向かう。もう何百回と電車に乗っているはずなのになんでこうも私はいつも遅刻しそうなのだろうか、そう思いながらあくびをすれば曲がり角で誰かにぶつかりそうになり慌てて「あ、すみません」と足を止めれば「…遅刻するけど」と昨日も聞いた声が聞こえたのに顔を上げる。
「え、なんで？」
「こっちのセリフだよ、遅刻だよ」
「いや、松村くんもだけども」
「俺のクラスの担任いつも朝教室来るの遅いからちょっと遅れても大丈夫だし」
Aさんのクラスの担任はバカみたいに早いから急いだほうがいいんじゃないの？と松村くんも眠いのか、昨日よりも低くて少し掠れた声でそう言ってあくびをした。
くそう羨ましい…確かに松村くんのクラスの担任はものすごくマイペースだし怒らないから遅刻しても何も咎められないが、私のクラスの担任は体育教師ともあって容赦なく叱りつけてくるからな…と思いながら「じゃ、またね」と告げて小走りで学校に向かう。
やっぱり謎だな〜、どんな関係なんだ？と思うがまあ、勝手に友達ということにしておいた。でも普通に走って疲れたな、と思いながらもこれ以上遅刻回数を増やすわけにもいかないので頑張って走っていれば「ねえ、北斗と友達なの？」と今度はクラスで聞いたことのある声が横から聞こえてきた。
「うわ、なんで並んで来るの！」
横を走りながら見ればなぜか同じクラスの田中が私と並走しながらそんなことを言ってくる。なんだこの図は、シュールすぎる。
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作者名：七瀬
| 作成日時：2023年12月9日 22時
