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京本くんにされたことがなんだか一人では処理出来ずにバイト前の友人をファストフード店に引きずりこんでしばらく話していたが目の前の友人かはにやにやしながら「ねえ〜ワンチャンあるってば〜」などと意味のわからないことを終始言っていて話にならない。でも彼女いないの？いやいたらあんなことしないし夜中に2人で酒も飲まないとは頭ではわかっているけど意味はずっと理解できない。
「仮に京本くんがさあ、私のこと、なんか、興味あったら、どうすればいいんだろう」
「え、いや〜距離縮めたらいいんじゃないの？」
恋愛の初歩の初歩だよ、みんな興味から始まるよ？彼氏いたことある？とジュースを飲み干しながらそう言われるのに「彼氏ぐらいあるよ…」とギリギリ拳を握りしめた。まあ「いたことはある」ぐらいなので経験値はほぼゼロだが。
「まあ飲み会楽しみな理由できたな〜！」
話聞かせてね〜となんだか友達も最初よりも生き生きしているのを見てこの子も私と同じで猫かぶってたんだろうな〜とぼんやり思いながら「何もないってば…」まあ話聞いてくれてありがとうと告げて私も席を立つことにする。
わからない、いや、大学生にもなると周りを見たり聞いたりするし自分でも今までの経験からこれはきっと「そういうやつ」に繋がるやつかもしれないということはわかる。…いやでも京本くんだよ？初めて会った時はラーメン啜りながら色気も何もない部屋着でいたし、次に夜中に会った時はロング缶が詰まったビニール袋をバイト終わりの変なテンションでヘラヘラ持ち歩いている時だった。そういうのに繋がる要素がまるでゼロだ、私だったら変な大学の同期ぐらいに思うのが精一杯だ。
「はあ〜…」
と、誰もいないことをいいことに大きなため息をついてガチャガチャと部屋のドアを開ける。…どうなんのかなあ、飲み会、てか京本くんがまず抜け出せなさそうな気がするけど、女の子にホールドされるんじゃないの？と思っているうちにもうそんな日はすぐ来てしまうものである。
「え、飲んでる？」
「飲んでるよ、てかそっちこそ飲んでなくない？」
飲みなよ、と勝手に隣の席の人の注文をしてやる。意外と強いせいであまり酔わずに済んでいるため、横でしきりにグラスを開けさせてくれない顔だけ知っているサークルの男子とじゃんけんをしながら飲み続けていたり、新しく女の子とも連絡先を交換できたりとまあなんだかんだ楽しい。周りを見渡すとみんなまちまちではあるものの自分とあまり変わらない楽しみ方をしているように見える。
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作者名：七瀬
| 作成日時：2023年3月17日 22時
