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「…遅れるよ、マジで」
なんだかいつもより低く感じた慎太郎の声に不思議な気持ちになりながらそのままジェシーくんの腕を引っ張ってずるずる連れていく姿をぼんやり見送れば松村くんに口パクで「絶対こい」と言われる。なんだそれ、行くかなんて私が決めるんだからね…決め…
スピーカーから夕方の5時を知らせるチャイムが鳴る。グラウンドやら体育館やらが交代なのかどこかから器具を引きずる音やらホイッスルやらが聞こえるのになんだかうるさい心臓のまま席を立って玄関に向かった。
そうだよ、結局学校に残ってしまった。誰もいない教室で最初は「課題やるために残るだけ…それだけ」と言い聞かせてペンをノートに走らせていたが1時間もしないうちに携帯を眺め始めた始末でしかない。…そりゃあ一緒に帰りたいじゃん、そういうこと、思うじゃん。
まだ委員会は終わっていないのか誰もいない玄関に立ち、変じゃないかな、と姿見の前で髪を撫で付けていれば「え？なんでいんの？」と気づけば不思議そうな顔をして私の後ろに立って「誰か待ってた？」と首を傾げるのにびっくりして「い、や！？べつに！」と可愛くなさすぎる言葉が飛び出す。こういうとこで「慎太郎のこと待ってた」って言えればいいのに、言えないんだよな、色々と中途半端でしかない。
「ふーん？変なの」
じゃ、俺は帰るから、ばいばい、と私に手を振ろうとした慎太郎に「わ、たしも帰るけど」と慎太郎からしたら「何言ってんだよこいつ」という行動をしてしまう。意味わかんないよ、なんか1時間半前に帰ってたと思うやつがなんか学校にいたのに帰るのは約束も何もしてない人となんだから、意味わかんないよな、と思えばなんだかじわじわ恥ずかしくなって俯く。
「ウケんだけど」
「なにが」
「俺と一緒に帰りたかったとか？」
だって俺ぐらいしか残ってるやつで知り合いいなくね？Aの友達なんて委員会にいないし、と笑って「素直に言えよー」と茶化したように背中をバシバシと叩かれる。…多分冗談だと慎太郎は思って言ってるんだろうな、Aが俺のこと別に待ってる理由なくね？マジで宿題でもやってただけだろうなーって、それだけなんだろうな。
いつもだったらここで「そんなわけ、いつでも会えんのに」と笑い返してしまうが今日はちょっと変えてみよう。ごくりと唾を飲んで慎太郎の顔を見て、口を開いて、
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七瀬(プロフ) - lemonさん» わ〜！ありがとうございます！少しでも楽しんでいただけていましたら幸いです！たくさん更新できたらいいな〜と思ってますので最後までお付き合い頂けましたらうれしいです！ (2023年2月25日 19時) (
レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
lemon(プロフ) - ほんとにこの作品がだいすきで、 このきゅんきゅんがたまりません！！これからの更新も楽しみにしております！^^ (2023年2月22日 22時) (レス) @page16 id: b772619bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬
| 作成日時：2023年2月7日 22時
