14 ページ14
.
「ねー慎太郎の幼馴染の子でしょ、慎太郎が、」
「ジェシー、違うから、今じゃないって」
ごめんね、と今度は横の…ていうかこーちくんだ…直接見るのなんだかんだ初めてだけどなんか安心感あるなこの人…と思ったけど顔は小さすぎるし足は長すぎたので結局住む世界が違う。ちょっと分けてよ、足。
「慎太郎今日5時まで委員会だよ」
「え？あ、そうなんだ」
「だから1人で帰るんだって」
「…ふうん？」
だからなんだ？と松村くんの顔を見て「はっきりしないな、短く話してよ」と眉間に皺を寄せれば「だから…」と今度は松村くんまで眉間に皺を寄せていた。なんでこんなとこで意味わからないまま喧嘩始めなきゃならないんだ…と思っていればこーちくんが「一緒に帰ったら？」と笑って私の顔を見る。
「慎太郎1人だとさびしー！って言ってるからさ、帰ってやってよ」
自分は人のこと待ってるくせに慎太郎から人に待っててとは言わねーの、だからさ、俺たちからのわがままってことでいいから、と高地くんが笑うのに「…なんか、ありがとう」と呟く。良い人すぎる、知ってるんだ、多分。この前慎太郎が話したことで、わかってるんだろうな、私が慎太郎のこと好きだって。
そういうやつだよね。自分は1人の友達とか「宿題家でやるのだるいから今やってたんだーてか今帰り？」とか言って待っててくれるのに、自分は迷惑じゃないかなとか予定あったりして、とか思って待っててとか言わないよね、わかるよ。
「えーなんかいいなあ、てかその髪どうやってやってんの？」
すごいね…こことかさ、と話がひと段落したところで隣に立っていたなんだかちょっと海外っぽいイケメンが私の髪を指さして、すごいねと呟くのに照れ隠しで笑えば「その耳の上の…」と呟いてこちらに手を伸ばすのに呆然とする。誰だっけ、さっきジェシーくんって言ってたしなんか聞いたことある名前だけど距離近い、あ、やば、髪そのまま触られ…どうしよ、と思ってその人の方向を見たまま固まるしかない。横の松村くんとこーちくんが「おい！」とジェシーくんの手を掴もうとして、でも掴んだ手は、その2人のものではなかった。
「…おー、ジェシーとA知り合いなの？」
てか北斗もこーちもいるじゃん、何してんの？といつも通り笑った慎太郎ががしりとジェシーくんと呼ばれる目の前の人の腕を掴んだまま笑うのに一度時間が止まったように静かになる。慎太郎の手元を見るに多分移動教室なんだろうな、だからここ偶然通って、と思い慎太郎の顔を見て「…いや、今知った」と笑えば「そう！おぼえて！」友達ね！とハイタッチされた。陽気すぎない？
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1089人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
七瀬(プロフ) - lemonさん» わ〜！ありがとうございます！少しでも楽しんでいただけていましたら幸いです！たくさん更新できたらいいな〜と思ってますので最後までお付き合い頂けましたらうれしいです！ (2023年2月25日 19時) (
レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
lemon(プロフ) - ほんとにこの作品がだいすきで、 このきゅんきゅんがたまりません！！これからの更新も楽しみにしております！^^ (2023年2月22日 22時) (レス) @page16 id: b772619bf0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：七瀬
| 作成日時：2023年2月7日 22時
